日本の年金制度は二階建てになっていることはご存じでしょうか。
1階部分が「国民年金」、そして2階部分が「厚生年金」になります。
昨今の物価の高騰や日本国民の人口減少に伴い、この二階建ての年金制度では、老後を過ごすことが難しいとも言われています。
今のはたらく世代にとっては、「国民年金」「厚生年金」さらには三階部分にあたる「自分年金」の準備が必要になるでしょう。
10月19日には新たに年金支給が始まるシニアに「年金証書・年金決定通知書」が送付されますが、そもそも年金額はどのように決まり、相場はいくらくらいなのでしょうか。
年金受給額について紐解いていきたいと思います。
1. 国民年金(基礎年金)と厚生年金は二階建て!
まずは日本の公的年金である、国民年金(基礎年金)と厚生年金の違いを確認しましょう。
1.1 1階部分は国民年金(基礎年金)
1階部分にあたるのが国民年金で、年金制度のベース部分であることから「基礎年金」とも呼ばれます。こちらの特徴を整理しましょう。
- 日本に住む20歳から60歳までのすべての人が原則加入
- 保険料は全員一律
- 40年間欠かさず納めれば満額の老齢基礎年金が受け取れる
1.2 2階部分は厚生年金
続いて2階部分の厚生年金の特徴も見ます。
- 会社員や公務員、またパートで特定適用事業所に働き一定要件を満たした方が、国民年金に上乗せで加入
- 加入期間や、収入に応じて(上限あり)将来の受給額が変わる
つまり、自営業や専業主婦などで一度も厚生年金に加入しなかった方は、国民年金のみの受給となります。
一方、会社員や公務員などは国民年金に上乗せして厚生年金を受け取ります。
これらの年金額は毎年度改定されます。2023年度は3年ぶりに増額改定され、標準的な夫婦は年額にして約6万円の増額となりました。