経済力と子どもの学力は切っても切れない関係性
学力テストの調査から年収別の子どもの成績を比較しても300万円未満と900万円以上の世帯とでは国語と算数、数学どの教科も900万円以上の世帯の子どもが偏差値が高い結果となりました。
年収別でみる小学生の偏差値
300万円未満
- 国語 46.98 (2013年度)→ 46.94(2017年度)→ 46.39(2021年度)
- 算数 46.56 (2013年度)→ 46.54(2017年度)→ 46.03(2021年度)
300万円〜600万円未満
- 国語 49.35(2013年度)→ 49.39(2017年度)→ 48.63(2021年度)
- 算数 49.43(2013年度)→ 49.23(2017年度)→ 48.50(2021年度)
600万円〜900万円未満
- 国語 51.26(2013年度)→ 50.77 (2017年度)→ 50.13(2021年度)
- 算数 51.54(2013年度)→ 50.66 (2017年度)→ 50.31(2021年度)
900万円以上
- 国語 53.64(2013年度)→ 52.93(2017年度)→ 52.89(2021年度)
- 算数 53.82(2013年度)→ 53.52(2017年度)→ 53.05(2021年度)
年収別でみる中学生の偏差値
300万円未満
- 国語 47.34(2013年度)→ 47.12(2017年度)→ 46.93(2021年度)
- 数学 46.41(2013年度)→ 46.24(2017年度)→ 46.19(2021年度)
300万円〜600万円未満
- 国語 49.64(2013年度)→ 49.55(2017年度)→ 48.78(2021年度)
- 数学 49.19(2013年度)→ 49.16(2017年度)→ 48.59(2021年度)
600万円〜900万円未満
- 国語 51.14(2013年度)→ 51.12 (2017年度)→ 50.39(2021年度)
- 数学 51.69(2013年度)→ 51.37 (2017年度)→ 50.45(2021年度)
900万円以上
- 国語 52.79(2013年度)→ 52.49(2017年度)→ 52.35(2021年度)
- 数学 53.98(2013年度)→ 53.56(2017年度)→ 52.86(2021年度)
このように「親の学歴と世帯年収」は子どもの学力に大きな影響を及ぼし、その流れは2013年度から2021年度にかけて大きな変化はなく数値が固定化していることが分かります。
高所得層の教育費支出は増額の傾向
経済力と学力格差是正の解決策が見いだせない中で、少子化が進んでいます。1人の子に投資する教育費が減る理由はなく、高所得世帯を中心に「より良い教育を」と支出が増えるのは避けられません。
その一方で、雇用情勢の不安や物価高などで教育費を捻出できない世帯も増えています。子どもの教育や学力はそのまま進学や就職に関係する人生でも重要性の高い分野です。学力是正の知恵を各方面で真剣に議論しなければ、才能ある子どもの未来を潰しかねない時代が待ち受けているのではないでしょうか。
参考資料
中山 まち子