2026年3月4日に幕を開けたWBC(ワールドベースボールクラシック)。日本は1次ラウンドの最終戦となるチェコ戦を終え、プールCの1位で決勝トーナメントに進出することが決定しました。
侍ジャパンの活躍の裏で議論になっているのが「Netflixの独占配信」です。開幕前から大きな物議を醸しましたが、1次リーグを終え、どのような反応の変化があったのでしょうか。
SNSでは反感と絶賛で意見がに二極化する状況が発生しているようです。
1. NetflixのWBC独占配信、背景をおさらい
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出所:Netflix
NetflixのWBC独占配信のニュースが発表されたのは、2025年8月。衝撃的だったのは、「地上波では一切放送されない」ということです。
SNSでは「国民的行事の私物化」「もうみんなで楽しむことはできなくなる」など、怒りと悲しみの声が巻き起こり、ネガティブに受け止める人が大半でした。
直前まで「日本戦はテレビで放送されたり、無料開放されたりするのでは?」という淡い期待をする声もありましたが、結局映像はNetflix以外にライブ視聴する手段はなく、かろうじてニッポン放送によるラジオ中継が行われるにとどまっています。
今回の事態が発生した原因は、高騰する放映権料にあります。23年大会の成功を受け、26年大会は日本の民放にとって広告収入だけではペイできない規模になり、圧倒的な資金力があるNetflixが放映権を独占することになりました。
2. 資金力&制作力に長けるNetflixが配信する意義
ただ、Netflix独占配信はデメリットばかりではありません。
今回の配信では、日本戦だけでなく他国の試合も含めて、全47試合を独占ライブ配信しており、WBCの魅力を存分に味わい尽くすことができるようになっています。
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出所:Netflix
また、舞台の裏側を映したドキュメンタリーや作り込まれたハイライト映像、スタットキャスト(選手の打球・守備・走塁・投球すべてをデータで可視化する最先端分析システム)の導入、豪華な解説陣など、資金力と制作力に長けたNetflixならではの上質なコンテンツを提供しています。
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出所:Netflix
加えて、「ワールドベースボールクラシック応援キャンペーン」と称して、通常のほぼ半額の価格でNetflixに加入できるキャンペーンも実施しています。もっとも安い広告つきスタンダードプランであれば、ワンコイン(498円)という低いハードルで全試合を観戦できます。
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出所:Netflixの情報をもとにLIMO編集部で作成
3. 幕が開けても収まらない反感、新規加入は5%以下
こうしたNetflixのさまざまな施策にも関わらず、現在までの新規ユーザー促進効果は狙い通りとは言い切れない部分があります。
共同通信社が3月7日・8日に実施した全国電話世論調査によると、Netflix契約に関して「試合を見たいので新たに契約した。あるいは契約する」と回答したのは4.9%。一方、「試合は見たいが契約しない」は36.4%に上っています。
SNSでは
- 「日本人なら結局は加入すると思われている気がして腹が立つ」
- 「野球は国民的行事なのに、みんなで共有できないのはおかしい」
- 「デジタルに疎い家族が観られなくて困る」
といったコメントが見受けられます。
また、今回の配信はスポーツバーや居酒屋などで上映することが禁止されており、「一喜一憂を共有するスポーツ観戦の文化が奪われている」といった声も挙がっています。
4. 「大谷推しじゃない」に高評価という意外な反応
一方、実際にNetflixでWBCを観戦したユーザーからは絶賛の声も挙がっています。
高く評価されているのは、全47試合を独占ライブ配信するという配信の形態です。前回大会まではハイライトでしか観ることができなかった他国の試合をフル観戦できるようになり、高い満足度につながっているようです。
SNSでは
- 「日本以外の試合も面白すぎて寝不足」
- 「他の国の盛り上がりも見られるのは楽しい」
などの反応がありました。
また、意外なのは「大谷推しじゃない」ことに対する高評価です。
- 「過剰な演出がないのがいい。解説のレベルも高い」
- 「地上波だと大谷中心の放送になってたことを考えると、正直Netflixで良かった」
など、少なくないユーザーが番組サイドの意図が強すぎないリアルな野球を観戦できることを喜んでいるようです。
WBCの独占配信をめぐる騒動は今回限りの問題ではありません。国際大会の放映権料が高騰しているのは野球だけではなく、地上波放送を見送る動きはサッカーワールドカップの予選などでも見られました。
スポーツ興行がビジネスである以上、いかに国民的行事といえども、経済的な枠組みから逃れることはできません。「お茶の間の熱狂」は古き良き時代の一場面となってしまうのか、それとも新しいスタイルで文化として残るのか。新時代のスポーツ観戦に関する議論はまだまだ続くことになりそうです。
参考資料
大蔵 大輔