秋が深まっていく10月や11月は私立小学校や国立大学附属小学校の受験、いわゆる「お受験」が行われる時期です。小学校受験をする場合は3、4歳頃から受験対策に特化した幼児教育に通わせて合格を目指すのが鉄板です。

また、大都市圏を中心に中学受験が盛んですが、小学校3年生から4年生頃に本格的に塾に通い初めて受験に備えるなど、教育に関心のある家庭では幼児期や小学生の頃から常にまとまった額の教育費の支出が続きます。

このことから、親の経済力が子どもの学力格差を引き起こしているという指摘されることも多いです。そこで今回は、高年収世帯のひと月の教育費の平均金額や学力と親の経済力の関係性を探っていきます。

年収が上がるほど教育の支出も増える

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総務省統計局の「家計調査(家計収支編)2022年(令和4年)平均」によると、2人以上いる世帯のうち勤労者世帯の教育支出(授業料等、教科書・学習参考教材、学習塾の月謝等に支出した費用)の全体平均は月額1万8126円でした。

この中で授業料は国の方針により私立高校の授業料実質無料化や3歳から5歳の子どもを対象にした保育施設の利用料無償化が進み、各世帯での負担は軽減されています。

そのため、教育支出は主に私立小学校や中学校と学習塾などで占められていると考えられます。

年間収入十分位階級別で比べてみると年収391万円未満の世帯では1カ月平均5119円、488万円~557万未満の世帯で1カ月平均1万1円と世帯年収が増えていき、と教育費の支出額も比例するように上昇。最も高い年収階級の1193万円以上の世帯では4万3626円になりました。

年収391万円未満と1193万円以上の世帯とでは毎月の教育費に8倍以上の差があることになります。

これだけ月平均での教育費に差があるということは、塾を含めて充実した教育を受けられる子とそうではない子の「日常的な教育レベル」に違いが生じ、結果として学力差が顕著となるのを止めるのは難しくなっています。