親の学歴と世帯年収の関係性
例外はあるものの、一般的に学歴が高いほうが年収も高くなります。公的なデータからも子どもの学力は年収や親の学歴と深く関係していることが明らかになっています。
2007年度(平成19年度)から実施されている「全国学力・学習状況調査」では児童生徒の学力だけでなく定期的に保護者に対する調査の結果を活用した専門的な分析も実施、公表されています。
2021年度の調査結果を元に、「保護者に対する調査の結果を活用した家庭の社会経済的背景(SES※)と学力との関係に関する調査研究」が文部科学省委託事業として国立大学法人福岡教育大学が行われ、今年の春に公表されました。
※Socio-Economic Status の略で、児童生徒の社会経済的指標を意味する
同調査の結果によると、2013年度、2017年度と2021年度のデータを比較し、小学校と中学校ともに児童生徒の偏差値は両親の学歴と世帯年収が深く関係していることが分かりました。
小学校の学力テストの国語と算数の偏差値と両親の学歴別の結果は次の通りになります。
両親の学歴と小学生の偏差値
両親ともに非大卒
- 国語 46.83(2013年度)→ 46.60(2017年度)→ 46.26(2021年度)
- 算数 46.69(2013年度)→ 46.34(2017年度)→ 45.89(2021年度)
両親の1人が大卒
- 国語 49.64(2013年度)→ 49.57(2017年度)→ 49.04(2021年度)
- 算数 49.94(2013年度)→ 49.46(2017年度)→ 49.07(2021年度)
両親ともに大卒
- 国語 53.58(2013年度)→ 53.21(2017年度)→ 52.85(2021年度)
- 算数 53.70(2013年度)→ 53.61(2017年度)→ 53.04(2021年度)
また、中学でも同様な傾向が見られており「親の学歴と子どもの偏差値」が全く無関係ではないことは明らかです。
両親の学歴と中学生の偏差値
両親ともに非大卒
- 国語 47.64(2013年度)→ 47.13(2017年度)→ 46.50(2021年度)
- 数学 47.07(2013年度)→ 46.54(2017年度)→ 45.91(2021年度)
両親の1人が大卒
- 国語 50.10(2013年度)→ 50.13(2017年度)→ 49.45(2021年度)
- 数学 50.12(2013年度)→ 50.01(2017年度)→ 49.36(2021年度)
両親ともに大卒
- 国語 53.34(2013年度)→ 53.45(2017年度)→ 52.95(2021年度)
- 数学 54.44(2013年度)→ 54.44(2017年度)→ 53.53(2021年度)