2. 生活保護で受けられる給付
生活保護制度で受けられる給付は、生活をしていく上で必要となる8つの扶助にわけられます。
- ①生活扶助:日常生活に必要な費用(食費・被服費・光熱水費等)
- ②住宅扶助:アパート等の家賃
- ③教育扶助:義務教育を受けるために必要な学用品費
- ④医療扶助:医療サービスの費用(費用は直接医療機関へ支払)
- ⑤介護扶助:介護サービスの費用(費用は直接介護事業者へ支払)
- ⑥出産扶助:出産費用
- ⑦生業扶助:就労に必要な技能の修得等にかかる費用
- ⑧葬祭扶助:定められた範囲内で実費を支給
2.1 生活保護費は個々の状況に応じて決められるため一律ではない
実際の生活保護での支給額はいくらなのでしょうか。
生活保護費としてもらう額は、対象となる人の世帯の人数、年齢や居住地など個々の状況が反映されるため、一律ではありません。
ご参考として、厚生労働省では以下のような例示が発表されています。
一般的な高齢者のケースとして確認しておきましょう。
《生活扶助基準額の例(令和5年10月1日現在)》
- 高齢者単身世帯(68歳):7万7980円(東京都区部等)・6万8450円(地方郡部等)
- 高齢者夫婦世帯(68歳、65歳):12万2460円(東京都区部等)・10万8720円(地方郡部等)
単身高齢者の場合であれば、東京都が約8万円、地方が約7万円が、日常生活に必要な費用(食費・被服費・光熱水費等)として支給される「生活扶助」の目安です。
これ以外に、アパート等の家賃にかかる「住宅扶助」が実費分支給されます。
また、病気の治療を受ける際は医療費が医療機関へ直接支払われます。
さらに、介護を受ける場合の介護費も、介護事業者へ直接支払われます。
どちらも本人が負担する必要はありません。
もし、さまざまな努力をしたにもかかわらず生活に困窮することがあっても、全ての国民には「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利(日本国憲法第25条)」が与えられており、生活保護を受けることができます。
ただし、権利には義務がつきもの。
生活保護を受ければ、以下のような様々な制限を受けることを頭に入れておきましょう。