2023年7月28日、厚生労働省が発表した「令和4年簡易生命表の概況」によると、平均寿命は「男性81.05歳」、「女性87.09歳」です。
平均寿命が延びれば、老後に向けて準備すべき貯蓄額も増えるでしょう。
では、現在のシニア世代の人たちは、どれくらい資産を蓄えているのか、気になるところです。
「人生100年時代」とも言われる長い老後生活。安心して日々を過ごすために、早い段階から老後対策を考えておくことが大切です。
そこで今回は、すでに老後生活を送っている70歳代の貯蓄事情や、3000万円以上を保有している世帯の割合などを見ていきたいと思います。
1. 70歳代以上「貯蓄3000万円超」の世帯は何パーセント?
さっそく、70歳代以上世帯の貯蓄事情を覗いていきましょう。
総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2022年(令和4年)詳細結果-(二人以上の世帯)」によると、70歳代以上の貯蓄の平均額は2411万円です。
1.1 70歳代以上の貯蓄現在高
70歳代世帯「187万4554世帯」の貯蓄現在高について、金額ごとの世帯数を見ていきましょう。
70歳代以上の平均貯蓄額:2411万円
- 100万円未満:14万896世帯
- 100万円~:6万4999世帯
- 200万円~:6万426世帯
- 300万円~:6万9205世帯
- 400万円~:6万2104世帯
- 500万円~:7万670世帯
- 600万円~:5万2589世帯
- 700万円~:4万9056世帯
- 800万円~:6万433世帯
- 900万円~:4万6408世帯
- 1000万円~:10万9329世帯
- 1200万円~:8万5755世帯
- 1400万円~:6万9842世帯
- 1600万円~:8万2145世帯
- 1800万円~:5万9305世帯
- 2000万円~:15万265世帯
- 2500万円~:12万1065世帯
- 3000万円~:17万7308世帯
- 4000万円~:33万4754世帯
現在の70歳代以上は貯蓄額4000万円以上の世帯が最も多いようです。
貯蓄額3000万円以上の70歳代以上の世帯は約27%。約3世帯に1世帯が、3000万円以上の金融資産を保有しているということになります。
以前に話題となった「老後2000万円問題」では、夫婦2人世帯の平均的な収支で試算すると、老後30年間で2000万円が不足するとされていましたね。
老後に向けて2000万円も準備しなくては!と世間が少しザワつきましたが、現在の70歳代以上のシニアは2000万円どころか3000万円、4000万円もの資産を保有している世帯が多いようです。
しかしながら、その一方で「100万円未満」の世帯も14万世帯を超えています。
年金収入で毎月の生活費をカバーできている場合でも、高齢になると医療費の負担増や介護費用の発生などの可能性も考慮して備えておきたいですね。