年金が振り込まれた金額を見て「思っていたよりも少ない」と感じたことはないでしょうか。年金は、支給額から保険料や税金などが差し引かれ、残りの金額が口座に振り込まれます。

多くの方にとって、年金は生活費の柱となる大切な収入源だと思いますので、何がどのくらい差し引かれるのかをしっかりと把握しておくことが大切です。

また、10月支給分からは保険料や税金などの金額が変更になるタイミングなので、手取り額が異なる方が出てきます。

この記事では、8月支給分までと10月支給分からで年金額が異なる詳しい理由や、年金から差し引かれる保険料や税金について解説していきます。

1. 年金「額面金額」と「手取り額」は違う

年金には、「年金支払額(額面金額)」と「控除後振込額(手取り額)」があり、それぞれ異なる金額になっています。

原則として毎年6月に送付される「年金振込通知書」を見ると、上段に「年金支払額」の欄があり、その下に「介護保険料額」、「所得税額および復興特別所得税額」、「個人住民税額」と続き、最後に「控除後振込額」があります。

実際に口座に振り込まれるのは、「年金支払額(額面金額)」から「介護保険料額」や「所得税額および復興特別所得税額」、「個人住民税額」を差し引いた「控除後振込額(手取り額)」となります。

つまり、額面金額よりも手取り額の方が少額になるのです。

なお、年金から保険料や税金が差し引かれることを「特別徴収」といいます。

年金支払額(額面金額)がそのまま受給できると考えてしまうと、「思っていたよりも少ない」ということになってしまうのです。