2023年9月に富山市において、年金からの介護保険料の天引きで過大徴収や過大還付があったことが判明しました。
これから年金受給する人は、年金からどんなお金が天引きされるか、気になる人もいるでしょう。
今月は2カ月に1度の年金支給月です。本記事では、厚生年金と国民年金から天引きされるお金について解説します。
天引きが止められるかどうかも紹介しますので、年金の使い道を考えるときの参考にしてください。
1. 年金から天引きされるお金とは?
給与天引きと異なり、年金から天引きされるお金は法律で決まっています。
まず最初に、給与天引きされるお金の種類と天引きされる条件について確認しましょう。
1.1 天引きされるのは4つの税金・社会保険料
年金から天引きされるのは、次の税金や社会保険料です。
- 所得税
- 住民税
- 国民健康保険料(※)
- 介護保険料
※75歳以上の人の後期高齢者医療保険料を含む。
所得税は、年金所得に対して源泉徴収されます。
住民税や健康保険料、介護保険料は、所定の年金を受ける人から天引きすることが法律で定められています。
年金から住民税や健康保険料、介護保険料を天引きすることを、特別徴収といいます。
1.2 所得税が源泉徴収される条件
所得税が天引きされるのは、年金所得のある人です。
年金所得は、年金収入(1年間の年金額)から次の金額を差し引いて計算します。
- 基礎控除(48万円)
- 公的年金等控除(65歳未満は60万円、65歳以上は110万円)
- 配偶者(特別)控除や扶養控除(扶養親族等申告書を提出している場合)
- 社会保険料控除(社会保険料を年金から特別徴収されている場合)
配偶者控除や扶養控除、社会保険料控除などがない場合、65歳未満の人は年金額が108万円以上、65歳以上の人は年金額158万円以上ならば、所得税が源泉徴収されます。
※2037年12月31日までは復興特別所得税も加算されます
医療費控除などその他の所得控除が適用される場合や、給与などその他の所得がある場合などは、確定申告して所得税を精算する必要があります。