1.2 厚生年金:2階部分
- 加入対象:主に会社員、公務員など
- 保険料:報酬比例制
- 年金額:加入期間や納付保険料により決定
厚生年金は収入によって保険料が決まるという「報酬比例制」です。給与から保険料が天引きされるため、未納になる心配はないでしょう。ただし、現役時代の収入や加入期間によって、老齢厚生年金額には大きな個人差が生じます。
このように、年金種類によっても差があるため、まずは自分が加入している年金の内容を把握しておきましょう。
2. 国民年金と厚生年金は2023年度に増額改定
「年金はどんどん減っている」というイメージがあるかもしれませんが、2023年度には年金が増額改定となりました。実に3年ぶりです。
- 国民年金(老齢基礎年金):6万6250円(1人分)※1
- 厚生年金:22万4482円(夫婦2人分※2)
※1 2023年度の既裁定者(68 歳以上の方)の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額6万6050円(対前年度比+1234 円)
※2 平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
あくまでも満額やモデルケースでの例示ですが、それぞれ増額となっていますね。
ただし、注意すべきなのは物価上昇が起こっているということです。
昨今の急激な値上げはみなさんが実感しているところかと思いますが、その物価上昇率ほどには年金が上がっていません。そのため、実質的には目減りといえるのです。
増額改定とはいえ、年金で生活するシニアにとっては厳しい現実があります。
3. 標準夫婦は2023年度に「年金が約44万9000円」支給される
10月13日が次回の年金支給となりますが、標準的な夫婦2人の金額を見てみましょう。
先程の厚生労働省の発表によると、標準的な夫婦に支給される年金は22万4482円でした。これは月平均での金額なので、年金支給日には
月額でみると22万4500円となりますね。
22万4482円×2=44万8964円
つまり、標準的な夫婦の年金支給額は約44万9000円となるのです。
厚生労働省の「標準的な夫婦世帯」の定義では厚生年金に加入する夫(妻)と国民年金のみの妻(夫)が想定されていたので、2人とも厚生年金に加入していた場合、さらに増えることが予想されます。
反対に、夫婦ともが国民年金のみだと、もっと少ない金額になるでしょう。
ただし、年金「約44万9000円」はそのまま振り込まれるわけではない点に注意が必要です。