4. 年金「約44万9000円」でも安心できない
年金「約44万9000円」と聞くと高く感じますが、これはあくまでも2カ月分の額面です。年金からは、税金や保険料が天引きされる点に注意しましょう。
実際の振込額は、年金振込通知書で確認できます。毎年6月に送付される通知書や、各保険料の決定通知書などが参考になります。
注意点として、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」の数字は額面での記載となっています。
5. 年金だけで足りるのか
今回は夫婦で年金を約44万9000円受け取る予定の方を参考に、老後の年金事情を考察しました。
44万9000円という金額だけ見ると、「意外と多い」と感じる方も多いでしょう。しかし、総支給と手取り額は異なるため老後の資金計画は手取り額で考えることが重要です。
また年金の支給は2カ月に一回ですから、「約44万9000円」の支給と言っても月に直すと約22万円です。現役の時と比べて増えたと感じる方は少ないでしょう。
昨今の物価高などで日々の生活を圧迫する要因は多いため、老後の資金は余裕を持って準備することがおすすめです。
たとえば、来年から改定が予定されているNISAなどの投資が注目を集めています。老後の準備がまだの方や不安な方は、導入を検討してみると良いでしょう。
もちろん投資にはリスクもあるため、慎重な判断も必要です。まずは自分に合った運用方法がどのようなものなのか情報を集めましょう。
老後の資金は借入れすることが非常に困難です。自分の老後は自分で守る時代ですから、しっかりと対策を行い、お金には困らないようにしたいですね。
参考資料
徳原 龍裕
執筆者
ファイナンシャルアドバイザー/ファイナンシャルプランナー/MDRT日本会会員
立命館アジア太平洋大学卒業後、自動車や通信業界にて営業職に従事。その後、ジブラルタ生命保険、株式会社ほけんのぜんぶに入社し、生命保険販売業務に携わる。生活全般に関わるお金の相談に対応が可能で、特に教育費・老後資金の準備、相続の相談などを得意とする。現在は個人向け資産運用のサポート業務をおこなう。表彰歴多数。2020年、2021年度MDRT日本会会員。AFP(Affiliated Financial Planner)、一種外務員資格(証券外務員一種)を保有。
監修者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
LIMO編集部記者/編集者/元公務員
京都教育大学卒業。株式会社モニクルリサーチが運営する、くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部において、厚生労働省管轄の公的年金制度や貯蓄、社会保障、退職金など、金融の情報を中心に執筆中。大学卒業後は教育関連企業での営業職を経て、2010年に地方自治体の公務員として入職。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務に従事した。主に国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担う。特に退職に伴う年金や保険の切り替えでは、手続きがもれることで不利益を被ることがないよう丁寧な窓口対応を心がけた。その後、保険代理店にてマーケティング業務に従事。保険料比較サイトの立ち上げに参加した。乗合保険会社の商品ページだけでなく、保険の知識を普及するためのページ作成にも参加。ニ種外務員資格(証券外務員ニ種)保有。小学校教諭一種免許、幼稚園教諭一種免許、特別支援学校一種免許取得。
はたらく世代のお金の診断・相談サービスを行うマネイロでは、「【計算例付】厚生年金保険料はどのように決まる?ケース別算出方法や受給額を解説」など、お金や年金制度にまつわる記事を発信中。京都府出身。(2024年9月4日更新)