2. 厚生年金を継続した場合の年金受給額をシミュレーション
では、実際に60歳以降も厚生年金に加入し続けた場合、どの程度年金受給額が増えるのか、シミュレーションしてみましょう。
増額する年金受給額の計算には、次の報酬比例分の計算式を使います。
平均標準報酬額×5.481/1000×加入期間の月数
2.1 65歳まで年金に加入し続けた場合
60歳から65歳までの5年間(60カ月)厚生年金保険に加入した場合に増える年金額を、平均標準報酬額ごとに算出しました。
60歳から65歳まで5年間働いて、厚生年金保険に加入し続けた場合のモデルケースでは、年間でおおよそ6万6000円〜9万8000円の増額となりました。
仮に65歳から90歳まで年金をもらうと想定すると、25年間の年金増額分は160万円〜250万円です。
2.2 70歳まで加入し続けた場合
70歳まで働いて厚生年金保険に加入し続けた場合は、どの程度増額するのでしょうか。
70歳まで加入した場合は、10年間(120カ月)として計算します。
算出結果を一覧表にまとめました。
モデルケースによると、加入年数10年間で増える受給額は、年間で約13万円〜20万円程度となります。
70歳から90歳まで年金を受給する想定では、最大で500万円の増額です。
加入年数10年となると、60歳以降も厚生年金に加入し続けるメリットが鮮明になります。
60歳以降の労働は、老後の資産形成を計画する上で大きなポイントです。
さらに70歳まで年金の受給を待機すれば、繰下げ受給によりもともとの年金額を増額させることも可能です。