1. 70歳代以上の貯蓄事情を知る
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」によると、70歳以上の貯蓄事情は次のとおりです。
1.1 70歳以上世帯「金融資産保有額」(※金融資産を保有していない世帯を含む)
平均:2209万円
中央値:1000万円
- 金融資産非保有:18.3%
- 100万円未満:4.5%
- 100~200万円未満:3.8%
- 200~300万円未満:3.1%
- 300~400万円未満:4.5%
- 400~500万円未満:2.0%
- 500~700万円未満:5.4%
- 700~1000万円未満:5.6%
- 1000~1500万円未満:10.3%
- 1500~2000万円未満:6.0%
- 2000~3000万円未満:11.9%
- 3000万円以上:22.1%
- 無回答:2.6%
平均値は一部の極端に大きい値に影響されて、数値が大きくなりやすい傾向があります。一方で、中央値は貯蓄額を少ない順、あるいは大きい順に並べたとき全体の真ん中にくる値で、平均よりも実態を反映しやすいと言われています。
よって、ここでは中央値の1000万円のほうが、身近に感じやすく、参考にしやすい値といえるかもしれません。
また気になる点として、3000万円以上の世帯が22.1%、金融資産非保有(=貯蓄ゼロ)世帯が18.3%と、ほぼ同じ割合で存在する「二極化」状態となっています。
老後の貯金格差を浮き彫りとする結果に、他人事とは思えないと感じる人もいるかもしれませんね。
2. 70歳代から先の「年金月額」平均いくら?
では次に、70代の年金支給額をみていきましょう。厚生労働省が2021年12月に公表した「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況(2020年度)」によると、70代以降の平均的な年金支給額は以下の通りです。
2.1 厚生年金(第1号)の平均年金月額
- 70~74歳 14万5705円
- 75~79歳 15万569円
- 80~84歳 15万9529円
- 85~89歳 16万2705円
- 90歳以上 16万1506円
※国民年金(基礎年金)の月額を含みます。
2.2 国民年金の平均年金月額
- 70~74歳 5万7010円
- 75~79歳 5万5880円
- 80~84歳 5万6916円
- 85~89歳 5万5633円
- 90歳以上 5万554円
仮に、サラリーマンの夫(厚生年金)と専業主婦の妻(国民年金)がそれぞれ平均的な年金額を受給できた場合、世帯の年金収入は毎月約20万円程度になると考えられます。
執筆者
大阪体育大学卒。中学~大学とサッカー部に所属。社会人女子ラグビー経験もあり、日本代表候補選出歴のあるスポーツウーマン。引退後は日本生命保険相互会社にて、保険商品の提案業務など金融営業経験を積み、採用・育成担当としても一度に約100名の指導経験をもつ。前職のゴンチャジャパンでは新規店舗の立ち上げに携わるなど、フットワークの軽さが持ち味。現在は個人向け資産運用会社にて、マネーに関するコンサルティング業務を行っている。AFP(Affiliated Financial Planner)
監修者
株式会社ナビゲータープラットフォーム 編集長室
編集者/コンビニ担当
中央大学法学部出身。在学中にThe University of Sheffieldに短期留学経験を積む。大学卒業後、東証プライム大手IT企業を経て、2013年からは厚生労働省の記者クラブにて、医療保険制度や介護・高齢者福祉などの社会保障を取り扱う専門紙の記者として約3年勤務。その後、GMOインターネットグループでは家電全般やハウツー情報などのwebメディアでの記事編集に携わり、月に数十本の記事を発信。SONYやパナソニックなど大手メーカーのカメラやスマートフォン、AV機器など最新家電などを中心に、ニュースやレビュー記事を発信した。
現在、金融と社会保障の分野では、厚生労働省管轄の公的年金(厚生年金保険と国民年金)、年金制度の仕組み、社会保障、貯蓄、マイナンバー制度に関する情報を中心に記事を執筆。政策の変遷、年金受給資格の詳細、最新の貯蓄トレンドなどに焦点を当て、具体的かつ実用的な情報を提供することを念頭に執筆。
ただの情報提供にとどまらず、読者がその知識を日々の生活に活かし、より良い将来設計を行えるようサポートすることを目指している。
読者にとって日常生活や将来設計に役立ち、お金について賢明な判断を下せるよう支援している。政府の施策から個人の資金管理に至るまでの広範なトピックをカバーすることで、経済的なリテラシーの向上とともに、個人が直面する様々な金融問題への具体的な解決策を提供することを意識している。
また、小売り分野では特に日本のコンビニエンスストア市場に焦点を当てた内容を執筆。セブン-イレブンやローソン、ファミリーマート、ミニストップ、ローソンストア100などのコンビニチェーンに焦点を当て、定期的に紹介。主要なコンビニチェーンに関する分析の新商品のレビュー、限定キャンペーンの情報、これらの店舗から登場する商品や、消費者の関心を引く限定キャンペーンについての記事を執筆している。
消費者がコンビニで何を買うべきか、どのキャンペーンに注目するかなど、実用的な情報の提供に努めている。
また読者に対し、タイムリーかつ正確な情報を届けることを心掛け、小売市場の変動に迅速に対応することで、読者が常に最新の情報を手に入れられることを目指す。日々の買い物に役立つだけでなく、消費者が市場のトレンドを把握し、賢い消費選択をするための知識を深めるサポートとなる記事を意識している。(2024年5月7日更新)