3. 【70歳代の貯蓄】「老後の生活費」って、どのくらい必要?

では、老後の生活費はいくらかかるのでしょうか。

生命保険文化センターが行った意識調査によると、夫婦2人で老後生活を送る上で必要と考える「最低日常生活費」は月額で平均22万1000円。さらに「ゆとりある老後生活」を送るための費用として、最低日常生活費以外に必要と考える金額は平均14万円です。

その結果、「最低日常生活費」と「ゆとりのための上乗せ額」を合計した「ゆとりある老後生活費」は平均で36万1000万円となります。

前述の「サラリーマンの夫と専業主婦」の夫婦世帯が、平均的な年金額のみを老後の収入とする場合、ゆとりある生活を過ごすためには毎月16万円程度のマイナスとなり、貯蓄を取り崩す状況となりますね。

金融資産非保有世帯を含む「70歳代以上・二人以上世帯」の貯蓄額中央値で考えると、1000万円(貯蓄額の中央値)÷16万円(毎月の赤字額)=62.5カ月となり、約5年で貯蓄が枯渇する計算になります。

老後に必要となる生活費は、健康状態やライフスタイルなどによって人ひとそれぞれです。それをふまえたとしても不安を感じる結果ではないでしょうか。

4. 70歳代になる前に貯蓄をコツコツ増やす

ここまで現在のシニア世代を参考に70代の資産状況を紐解いてきました。

人生100年時代となり、老後生活も今まで以上に長くなることは皆さんも想像できるでしょう。長生きをしたとしても健康でなければ意味がないのと同じように、資産の寿命も延ばすことが必要な時代です。

貯金するだけでは、資産を増やすことは難しい時代。お金にも「働いてもらう=資産運用」ができれば、資産が減るまでの期間を延ばせるかもしれません。ちなみに、資産運用のポイントの1つは「時間」です。運用期間が長いほど、リスクが軽減しリターンが安定してきます。

少額からの積立て投資を後押しする国の税制優遇制度、「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」や「つみたてNISA」の活用を検討してもよいかもしれませんね。充実したセカンドライフに向けたお金の準備を「いまから」考えてみるのはいかがでしょうか。

参考資料

吉田 奈都子