2024年9月に帝国データバンクが発表した定期調査によると、10月の食品値上げは2911品と年内最大の値上げラッシュとなりました。
値上げの理由も原材料費の高騰や物流費、人件費の高騰など多岐に渡るため今後も続く可能性を考えなくてはなりません。
物価高が続くことを想定すると、将来の資金計画にも大きな影響を与えます。将来のお金事情は今よりも厳しくなることを前提に考える方が良いでしょう。
一方で、現状を知ることも重要です。シニア世帯の方がどのような生活を送っているのか知ることで、将来の準備をイメージすることが可能です。
そこで今回は、65歳以上の無職世帯について、年金や生活費などの現状を確認していきます。
1. 「65歳以上の無職二人以上世帯」の平均貯蓄額はいくら?
総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-(二人以上の世帯)」によると、65歳以上で無職二人以上世帯の平均貯蓄額は2504万円でした。
1.1 「2018年から2023年」までの年金世帯の平均貯蓄額の推移
65歳以上で無職二人以上世帯の過去5年間における、平均貯蓄額の推移は以下のとおりです。
- 2018年:2233万円
- 2019年:2218万円
- 2020年:2292万円
- 2021年:2342万円
- 2022年:2359万円
- 2023年:2504万円
2018年から2020年の間は2200万円台でしたが、2021年以降は2300万円台に上昇し、2023年には2500万円台に達しています。
この貯蓄額の増加にはいくつかの要因がありますが、主な要因として以下の3点が挙げられます。
- 年金不安
- 長寿化
- 金融市場の影響
少子高齢化が進む中で年金財政に対する不安が高まっており、高齢者世帯は将来に備えた貯蓄を増やす傾向が強まっています。
また、平均寿命の延びにより、長期間にわたる生活資金の確保が求められ、貯蓄の必要性が増しているのでしょう。
さらに資産運用や投資を積極的に行っている世帯では、金融市場の変動によって資産価値が上昇し、結果として貯蓄額が増加している可能性も考えられます。
ここまで無職世帯の貯蓄額についてお伝えしましたが、次章では65歳以上の「勤労世帯も含む」貯蓄額についてもご紹介します。