一昔前の日本においては「夫は仕事、妻は家庭」「結婚をしたら子どもを持つもの」といった価値観が一般的でした。

しかし令和となった今では、このような価値観が廃れつつあるのが現状です。

本記事では、2023年8月1日に公表された政府の調査データをもとに、昭和や平成と比較して変わった「4つの価値観」について紹介していきます。

特に女性の場合、これまではライフステージの変化においてキャリアを断念するケースも多く、これが年収や年金における男女差に繋がってきたと考えられます。

今と昔を比較して、こうした社会の考えや価値観がどのように変わったか、記事を読みながら考えてみてもよいかもしれません。

「結婚をする」という価値観

まず、昭和と令和で大きく変わった価値観として「結婚観」が挙げられます。

厚生労働省の「令和5年版厚生労働白書」によると、男女ともに、未婚率がどの年齢階層においても上昇しています。

昭和55年(1980年)と令和2年(2020年)を比較すると、どの年代においても令和のほうが未婚率は高くなっており、とくに40歳代や50歳代といった、年齢の高い世代の未婚率が上昇していることがわかります。

また、2021年に実施された、国立社会保障・人口問題研究所の「第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」では、結婚の利点として「社会的信用が得られる」「親を安心させたり周囲の期待にこたえられる」は減少傾向となっています。

一方で「経済的に余裕がもてる」は男女ともに増加傾向にあり、結婚をすることに対する利点でも違いが生じています。

昭和時代は「社会的信用」や「親の期待」といった、いわゆる「第三者の目」を気にして結婚していた人が多いようにうかがえます。

一方で、令和となった現代では「経済的な余裕」といった、自分の将来を見据えて結婚をする人が多くなってきているようです。