「夫婦の在り方」に対する価値観
続いて、昔と比較して大きく変わった価値観として「夫婦における役割」が挙げられます。
国立社会保障・人口問題研究所の「第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」によると、「夫は仕事、妻は家庭」という考えを支持する人が男女ともに減少傾向にあることがわかります。
現代では「夫は仕事、妻は家庭」という考え方を支持しない人が多く、特に女性においては1992年よりも上記の考えに対する支持率が17.1%も減少しています。
近年では、女性の社会進出が国をあげて推進されていることから、夫婦ともに働く世帯が多く、上記のような考え方が廃れつつあるのでしょう。
「専業主婦と共働き」の価値観
前章では、「夫は仕事、妻は家庭」という考えを支持しない人が多くなっていることを説明しましたが、この考えが廃れつつある現代では「専業主婦」の割合も減少傾向となっています。
厚生労働省の「令和5年版厚生労働白書」の調査では、昭和55年(1980年)では「男性雇用者と無業の妻からなる世帯」(以下「専業主婦世帯」)が「1114万世帯」であるのに対し、共働き世帯は「614万世帯」と、圧倒的に専業主婦世帯のほうが多い傾向にありました。
しかし、令和2年(2020年)には専業主婦世帯が「539万世帯」であるのに対し、共働き世帯は「1262万世帯」となっています。
専業主婦世帯の割合は、昭和時代と比較すると大幅に減少しており、現代では専業主婦という生き方を選択する人のほうが少なくなってきています。
前述した「夫は仕事、妻は家庭」という価値観が廃れつつある現代では、夫婦ともに働く割合は年々上昇しており、今や専業主婦よりも共働き世帯のほうが一般的になりつつあります。