2024年より恒久化されるNISA。非課税として運用できる期間に上限があったことから、なんとなく管理が面倒だな…と利用を避けていた人も、新しいNISAから始めてみようと考えているかもしれません

2023年8月8日に金融庁が更新した、2023年3月末時点のNISA口座の利用状況によると、30歳代・40歳代を中心に、毎月一定額を積み立て投資する「つみたてNISA」の人気が高いことが分かりました。

同資料より、年代別のNISAを利用した資産運用の状況を見ていきましょう。

NISA(非課税優遇制度)2024年1月から新しく生まれ変わります

2014年に創設されたNISA(非課税優遇制度)。2018年には長期投資・分散投資を後押しすべく「つみたてNISA」が創設されました。

そして、2024年1月。より利用しやすい制度に生まれ変わります。

【新しいNISA】

出所:金融庁「新しいNISA」をもとにLIMO編集部作成

現行のNISAは「つみたてNISA」と「一般NISA」のどちらか一方の選択制、そして口座開設期間に期限があることや、非課税枠が物足りなかったことから少し利用しづらいといった声もありました。

そんな現行NISAから新しいNISAへの主な変更点は以下のとおりです。

  • 非課税保有期間の無期限化
  • 口座開設期間の恒久化
  • 「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の併用可能
  • 年間投資枠の拡大(つみたて投資枠:年間120万円、成長投資枠:年間240万円、合計最大年間360万円)
  • 非課税保有限度額は、全体で1800万円(成長投資枠:1200万円※枠の再利用可能)

「成長投資枠」で資産の成長を期待しながら、「つみたて投資枠」で新たに資産を作り上げていく、二刀流の資産運用が可能となります。

「一般NISA・つみたてNISA」年代別の利用状況

2023年8月8日に金融庁が更新した「NISA・ジュニアNISA利用状況調査」より、2023年3月末現在のNISAの利用状況を見ていきます【図表1】。

なお、10歳代のデータはすべて18歳・19歳のものとなり、ジュニアNISA(未成年を対象としたNISAで2023年末に廃止)は含まれません。

【図表1】

出所:金融庁「NISA・ジュニアNISA利用状況調査」をもとに筆者作成

一般NISA口座開設数

総数:1090万4260口座

  • 10歳代:4万8679口座
  • 20歳代:41万5209口座
  • 30歳代:105万2844口座
  • 40歳代:159万3311口座
  • 50歳代:197万1123口座
  • 60歳代:226万3233口座
  • 70歳代:230万4646口座
  • 80歳代以上:125万5195口座

一般NISAの口座開設数は70歳代が最も多く、次に60歳代が続きます。2014年1月に創設されたNISA。定年退職を機に退職金の一部を運用するためにNISA口座を開設した、という方は少なくないかもしれません。

つみたてNISA口座開設数

総数:783万1060口座

  • 10歳代:1万4632口座
  • 20歳代:150万7759口座
  • 30歳代:221万2893口座
  • 40歳代:193万5430口座
  • 50歳代:136万5425口座
  • 60歳代:58万5126口座
  • 70歳代:18万600口座
  • 80歳代以上:2万9195口座

つみたてNISAの口座開設数は30歳代が最も多く、40歳代、20歳代、50歳代と現役世代を中心に人気のようです。

住宅ローンや教育資金など、出費がかさむ働き盛りの世代にとって、毎月少額を積み立てていく資産運用はニーズにマッチしているのかもしれません。