残暑も落ち着きはじめ、徐々に秋の気配が感じられるようになりました。過ごしやすい気候になると、旅行やレジャー、趣味にと活動範囲が広くなる方も多いことでしょう。

楽しみなことがある一方で、年金生活者にとっては「年金だけで趣味などを楽しみながら生活していけるのか?」などと不安を感じてしまうことがあるかもしれません。

厚生年金や国民年金は、現役時代の職業や加入期間、世帯構成などにより世帯の受給額が異なりますが、中には夫婦で約44万9000円の年金を受給できる世帯もあります。

次回10月13日の年金振込日に、約44万9000円を受給できるのはどのような夫婦なのか、詳しく見ていきましょう。

1. 厚生年金と国民年金の仕組み

まずは、厚生年金と国民年金の仕組みについて簡単に復習しておきましょう。

日本の公的年金制度はよく二階建てといわれており、1階部分が国民年金で2階部分が厚生年金にあたります。

国民年金は現役時代に自営業や個人事業主、専業主婦(夫)などだった方が受給する年金で、年収の影響を受けず国民年金の加入期間により年金額が決まります。

一方、厚生年金は会社員や公務員などだった方が受給する年金で、現役時代の年収や厚生年金の加入期間などによって受給額が異なります。

厚生年金は国民年金に上乗せして受給できるものなので、一般的に国民年金受給者よりも厚生年金受給者の方が年金額が高くなります。

1.1 令和5年4月分(6月支払分)からの受給額

令和5年度の年金額は3年ぶりに増額となり、令和4年度よりも67歳以下の方で原則2.2%の引き上げに、68歳以上の方で1.9%の引き上げとなっています。

具体的な年金額は、国民年金が満額で月額6万6250円で、令和4年度の6万4816円より1434円の増額です。

また、厚生年金は月額22万4482円で、令和4年度の21万9593円より4889円増額となっています。

なお、上表における厚生年金の受給額は、平均的な収入(平均標準報酬43万9000円)で40年間勤めた場合の年金(厚生年金と夫婦2人分の国民年金(満額))の給付水準となっています。