2022年9月9日に厚生労働省が公表した「2021(令和3)年 国民生活基礎調査の概況」によれば、65歳以上の者のいる世帯は2580万9000世帯で、全世帯の49.7%を占めています。

1986年時点では、65歳以上の世帯は26.0%でしたので、35年間でおよそ2倍に増加。

また、徐々に高齢者世帯における単独世帯が増えており、高齢者をめぐる家庭環境は変化しているといえます。

筆者が資産運用の相談を受けるお客様の中にも、「一人で生きていくと思っている」と答える方や、「70歳を超えても働こうと思っている」と仰る方もおり、リアルに時代の流れを感じる瞬間があります。

このように、その暮らしぶりに変化がみられる70歳代。今回はそんな70歳代における「おひとりさま世帯」の貯蓄状況、年金受給額についてみていきたいと思います。

1. 70歳代「おひとりさま」は増加傾向に。平均寿命も上昇

最初に、近年の老齢年金世代の「おひとりさま」について、動向を確認しておきましょう。

内閣府「令和4年版高齢社会白書」よると65歳以上の一人暮らしの人は、以下のとおり年々増加しています。

一人暮らしの人の65歳以上人口に占める割合は、1980年には男性4.3%、女性11.2%でしたが、2020年には男性15.0%、 女性22.1%とそれぞれ増加しています。

割合だけでなく世帯数も右肩上がり。今後、さらに増加していくと推測されています。

また、平均寿命も年々延びているようです。

2000年時点の平均寿命は、男性77.72歳、女性84.60歳でしたが、2020年時点では男性81.56歳、女性81.71歳と上昇。

2050年には、女性の平均寿命が90歳に到達すると予想されています。