2025年も晩秋を迎え、年末調整やふるさと納税などで、今年のお金の流れを意識する時期となりました。
働き盛り世代の40歳~50歳代のみなさんにとっては、同時に「老後の生活費」という将来のお金についても、現実味を持って考える機会が増えているのではないでしょうか。
老後収入の柱となる公的年金。最新の年金額例や、今のシニア層が「実際いくらもらっているのか」という年齢別の平均額は、ご自身の将来を測る上で重要な指標となります。
また、2025年6月に成立した年金制度改正法により、いわゆる「年収106万円の壁」が撤廃されることが決まりました。これは、ご自身や配偶者の働き方、ひいては将来受け取る年金額にも関わる大きな変更点です。
本記事では、公的年金の基本的な仕組みから、60歳代から80歳代までのリアルな平均受給額、そして65歳以上のリタイア世帯の家計収支の実態、さらに注目の年金制度改正まで、最新情報を詳しく解説します。
来年(2026年)に向けた将来設計の見直しに、ぜひお役立てください。
1. 《国民年金&厚生年金》シニアの年金「ごく標準的な月額」とは?(2025年度)
公的年金は、毎年物価や賃金の変動を反映して見直されています。2025年度の年金額は、前年度より1.9%引き上げられています。
公表された年金額例を見ると、国民年金(老齢基礎年金)の満額は月額6万9308円となっています。
また、厚生年金は、モデルケース「厚生年金を受け取る会社員の夫+国民年金を受け取る妻」の世帯の場合、月額23万2784円です。
※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額6万9108円(対前年度比+1300円)
※厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
