積水ハウスの国際ビジネス

「国際事業」

アメリカでは、戸建住宅事業及びコミュニティ開発事業において、前期における住宅ローン金利の急激な上昇に伴い受注残高が減少した影響を受けた。

しかしながら、高品質な新築住宅等へのニーズは高く受注は回復傾向で推移した。加えて、米国子会社であるWoodside Homes Company, LLCは、住宅販売エリアを拡大し更なる展開を進めるべく、住宅販売会社であるHubble Group, LLC(アイダホ州)の持分を取得した。

また、賃貸住宅開発事業において、「St.Andrews」(ロサンゼルス)の引渡しが計画通りに完了した。

オーストラリアでは、分譲マンション引渡しの端境期、戸建住宅の販売戸数減少等から減収となった。

一方、「West Village」(ブリスベン)の商業棟の一部および「Melrose Park」(シドニー)のマンションPulse棟&Pavilion棟の引渡しが順調に進捗した。

以上より、売上高は前年同期比▲16.5%の2017億500万円で減収、営業利益は前年同期比▲73.0%の124億7600万円と大幅な減益となった。

積水ハウスの業績予想

当第2四半期の各段階利益は減益であったが、各事業の進捗状況は順調に推移している。そのため、通期業績予想は2023年3月9日発表のまま据え置いた。

積水ハウスの組織再編

同社は、2023年9月7日の取締役会において、同社建設グループを傘下に収める中間持株会社の設立を決議した。

具体的には、「積水ハウス建設ホールディングス株式会社」(同社100%出資、以下「分割準備会社」という)を設立し、同社建設事業本部が管轄する事業を、分割準備会社に吸収分割する組織再編を実施する。

同社の成長戦略においては、「施工力」の充実、拡大が重要であり、「施工力」の中核企業である同社建設グループの持続的成長は不可欠である。

そのため、同社建設グループを統括する中間持株会社を設置し、事業領域拡大も視野に見据
え、事業推進を行うこととした。

機動的な人事制度改革等を実施するとともに、中間持株会社への権限委譲と責任の明確化により、成長戦略の実現とガバナンスの強化による「請負型ビジネス」の成長を図る。

積水ハウスの配当

剰余金配当は、1株あたり、中間配当を前期比+7円の59円、期末配当を前期比+1円の59円としている。

通期では、前期比+8円の1株あたり118円を予想する。配当予想の修正はない。

積水ハウスの株価

2024年1月期第2四半期連結決算の発表前となる、2023年9月7日の終値は1039円であった。

中間決算および組織再編の発表を受けて、2023年9月8日09:19には年初来高値を更新して、3141円となった。

2営業日連続での年初来高値の更新である。

2023年9月8日の終値は、前日比8円安の3073円であった。

参考資料

石川 貴康