現在の日本の老齢年金は、国民年金・厚生年金ともに受給は原則65歳からとなっています。

厚生労働省「就労条件総合調査結果の概況」によると、一律定年制を定めている企業のうち「65歳以上」を定年年齢としている企業割合は24.5%であり、過去最高の値となっています。

前回調査(平成29年)では、「65歳以上」を定年年齢としている企業割合は17.8%であったことから、年金受給開始時期の引き上げとともに、徐々に定年退職の年齢も60歳から65歳へ移行しつつあるのだとうかがえます。

定年退職を迎え、老後生活をスタートさせた場合、現役時代とは異なり主な収入源は「老齢年金」となります。

では、65歳以上の「無職の夫婦世帯」がもらえる年金受給額はどのくらいなのでしょうか。

本記事では、65歳以上の「無職の夫婦世帯」の年金・貯蓄・支出について紹介していきます。

次回の年金支給は10月13日となっており、前回から2ヶ月の期間があきます。「老後は年金だけで生活していけるのか」といった疑問についても解説しているので、参考にしてください。

1. 65歳以上の年金受給額はどのくらい?

まずは、65歳以上の年金受給額について見ていきましょう。

1.1 厚生年金の平均月額

厚生労働省の「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金(国民年金の年金月額を含む)の平均受給額は「14万3965円」となりました。

国民年金と厚生年金は2階建て構造であり、2階にあたる厚生年金には会社員や公務員等が加入します。

厚生年金の男性の平均年金月額は「16万3380円」であるのに対して、女性の平均年金月額は「10万4686円」であり、男女で金額差が生じていることがわかります。

厚生年金の場合は加入状況によって受給額に個人差が出るため、男女のボリュームゾーンにバラつきが生じているのでしょう。