【4人家族】年収1000万円共働き世帯の手取りはいくらか
次に、4人家族共働きで世帯年収が1000万円の世帯の手取りを確認しましょう。以下の条件でシミュレーションします。
- 共働き世帯
- 夫は東京都にある中小企業勤務の52歳会社員(年収600万円で月給40万円×12ヶ月+ボーナス60万円×2回)
- 妻は東京都にある中小企業勤務の48歳会社員(年収400万円で月給28万円×12ヶ月+ボーナス32万円×2回)
- 子どもは15歳と18歳(18歳の子どもは扶養控除あり)
- 住まいは埼玉県(住宅ローン残高なし)
- 生命保険料控除や医療費控除・寄付金控除等の適用なし
シミュレーション結果は以下のとおりです。
【4人家族共働き世帯】年収600万円の夫の手取り
健康保険料:36万1000円
2万4231円(月給分)×12ヶ月+3万4869円(ボーナス分)×2ヶ月分
厚生年金保険料:55万8000円
3万7515円(月給分)×12ヶ月+5万3985円(ボーナス分)×2ヶ月分
雇用保険料:3万6000円
600万円×0.6%
所得税:16万円
(600万円(額面年収)ー48万円(基礎控除)ー164万円(給与所得控除)ー95万4660円(社会保険料控除)ー38万円(扶養控除))×10%ー9万7500円+3298円(復興特別所得税)
住民税:27万円
(600万円(額面年収)ー43万円(基礎控除)ー164万円(給与所得控除)ー95万4660円(社会保険料控除)ー33万円(扶養控除))×10%+5000円(均等割)
手取り:461万5000円
600万円ー36万1000円(健康保険料)ー55万8000円(厚生年金保険料)ー3万6000円(雇用保険料)ー16万円(所得税)ー27万円(住民税)
※各数値算出における端数処理の関係で、手取りの計算式の答えと記載の数値に差が生じています。
【4人家族共働き世帯】年収400万円の妻の手取り
健康保険料:23万6000円
1万6548円(月給分)×12ヶ月+1万8912円(ボーナス分)×2ヶ月分
厚生年金保険料:36万6000円
2万5620円(月給分)×12ヶ月+2万9280円(ボーナス分)×2ヶ月分
雇用保険料:2万4000円
400万円×0.6%
所得税:8万4000円
(400万円(額面年収)ー48万円(基礎控除)ー124万円(給与所得控除)ー62万6400円(社会保険料控除))×5%+1736円(復興特別所得税)
住民税:17万5000円
(400万円(額面年収)ー43万円(基礎控除)ー124万円(給与所得控除)ー62万6400円(社会保険料控除))×10%+5000円(均等割)
手取り:311万4000円
400万円ー23万6000円(健康保険料)ー36万6000円(厚生年金保険料)ー2万4000円(雇用保険料)ー8万4000円(所得税)ー17万5000円(住民税)
※各数値算出における端数処理の関係で、手取りの計算式の答えと記載の数値に差が生じています。
夫と妻の合計手取りは772万9000円です。片働き世帯の手取りは736万4000円なので、その差は約36万円となっています。
この差の主な原因は所得税です。
共働き世帯が負担する合計の所得税は24万4000円ですが、片働き世帯が負担する所得税は66万6000円となっています。これは、所得が上がるほど所得税率が高くなる「累進課税制度」が要因です。
累進課税制度により、所得が高い人ほど所得税は高額になります。
家計は手取りで考えよう
家計を考える際は、額面ではなく手取りで考えることが重要です。
転職や昇給の際にも、手取りで使えるお金をシミュレーションしましょう。
参考資料
- 国税庁長官官房企画課「令和3年分民間給与実態統計調査」
- 東京都「令和5年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表 」
- 厚生労働省・都道府県労働局長・ハローワーク「令和5年度雇用保険料率のご案内 」
- 国税庁「No.2260 所得税の税率」
- 国税庁「No.1410 給与所得控除」
- 国税庁「No.1191 配偶者控除」
- 国税庁「No.1180 扶養控除」
- 埼玉県「個人県民税」
苛原 寛