年収1000万円の生活に憧れる人も多いのではないでしょうか。
国税庁長官官房企画課「令和3年分民間給与実態統計調査」によると、日本の平均年収は443万円です。
年収1000万円はわずかな人しか達成できない給与水準となっています。
ただし、年収1000万円でも実際にもらえる手取りの額は想像以上に少ない場合もあります。
本記事では、4人家族で年収1000万円の世帯の手取り金額を紹介します。
片働き世帯と共働き世帯にわけてシミュレーションするので、参考にしてみてください。
給与から天引きされるものはなにか
まずは、給与から天引きされるものを確認しましょう。
給与から天引きされるものは以下の5つです。
- 健康保険料
- 厚生年金保険料
- 雇用保険料
- 所得税
- 住民税
社会保険料や税金が、毎月の給与やボーナスから自動的に天引きされます。
【4人家族】年収1000万円「片働き世帯」の手取りはいくらか
それでは、さっそく年収1000万円世帯の手取りを確認しましょう。4人家族で片働き世帯の手取りを以下の条件でシミュレーションします。
- 働き手は夫のみ(東京都にある中小企業勤務の52歳会社員)
- 夫の年収は1000万円(月給60万円×12ヶ月+ボーナス140万円×2回)
- 妻は専業主婦(配偶者控除あり)
- 子どもは15歳と18歳(18歳の子どもは扶養控除あり)
- 住まいは埼玉県(住宅ローン残高なし)
- 生命保険料控除や医療費控除・寄付金控除等の適用なし
シミュレーション結果は以下のとおりです。
【4人家族】年収1000万円片働き世帯の夫の手取り
健康保険料:58万3000円
3万4869円(月給分)×12ヶ月+8万2149円(ボーナス分)×2ヶ月分
厚生年金保険料:76万7000円
5万3985円(月給分)×12ヶ月+5万9475円(ボーナス分)×2ヶ月分
雇用保険料:6万円
1000万円×0.6%
所得税:66万6000円
(1000万円(額面年収)ー48万円(基礎控除)ー195万円(給与所得控除)ー141万円(社会保険料控除)ー38万円(配偶者控除)ー38万円(扶養控除))×20%ー42万7500円+1万3705円(復興特別所得税)
住民税:56万円
(1000万円(額面年収)ー43万円(基礎控除)ー195万円(給与所得控除)ー141万円(社会保険料控除)ー33万円(配偶者控除)ー33万円(扶養控除))×10%+5000円(均等割)
手取り:736万4000円
1000万円ー58万3000円(健康保険料)ー76万7000円(厚生年金保険料)ー6万円(雇用保険料)ー66万6000円(所得税)ー56万円(住民税)
※各数値算出における端数処理の関係で、手取りの計算式の答えと記載の数値に差が生じています。
手取りは736万4000円で、手取り率は約74%です。
天引きされる社会保険料と税金のなかでは、厚生年金保険料がもっとも高額となっています。
所得税や住民税なども高額ですが、配偶者控除や扶養控除(子ども1人分)が適用されるため、納税額は抑えられています。
【4人家族】年収1000万円共働き世帯の手取りはいくらか
次に、4人家族共働きで世帯年収が1000万円の世帯の手取りを確認しましょう。以下の条件でシミュレーションします。
- 共働き世帯
- 夫は東京都にある中小企業勤務の52歳会社員(年収600万円で月給40万円×12ヶ月+ボーナス60万円×2回)
- 妻は東京都にある中小企業勤務の48歳会社員(年収400万円で月給28万円×12ヶ月+ボーナス32万円×2回)
- 子どもは15歳と18歳(18歳の子どもは扶養控除あり)
- 住まいは埼玉県(住宅ローン残高なし)
- 生命保険料控除や医療費控除・寄付金控除等の適用なし
シミュレーション結果は以下のとおりです。
【4人家族共働き世帯】年収600万円の夫の手取り
健康保険料:36万1000円
2万4231円(月給分)×12ヶ月+3万4869円(ボーナス分)×2ヶ月分
厚生年金保険料:55万8000円
3万7515円(月給分)×12ヶ月+5万3985円(ボーナス分)×2ヶ月分
雇用保険料:3万6000円
600万円×0.6%
所得税:16万円
(600万円(額面年収)ー48万円(基礎控除)ー164万円(給与所得控除)ー95万4660円(社会保険料控除)ー38万円(扶養控除))×10%ー9万7500円+3298円(復興特別所得税)
住民税:27万円
(600万円(額面年収)ー43万円(基礎控除)ー164万円(給与所得控除)ー95万4660円(社会保険料控除)ー33万円(扶養控除))×10%+5000円(均等割)
手取り:461万5000円
600万円ー36万1000円(健康保険料)ー55万8000円(厚生年金保険料)ー3万6000円(雇用保険料)ー16万円(所得税)ー27万円(住民税)
※各数値算出における端数処理の関係で、手取りの計算式の答えと記載の数値に差が生じています。
【4人家族共働き世帯】年収400万円の妻の手取り
健康保険料:23万6000円
1万6548円(月給分)×12ヶ月+1万8912円(ボーナス分)×2ヶ月分
厚生年金保険料:36万6000円
2万5620円(月給分)×12ヶ月+2万9280円(ボーナス分)×2ヶ月分
雇用保険料:2万4000円
400万円×0.6%
所得税:8万4000円
(400万円(額面年収)ー48万円(基礎控除)ー124万円(給与所得控除)ー62万6400円(社会保険料控除))×5%+1736円(復興特別所得税)
住民税:17万5000円
(400万円(額面年収)ー43万円(基礎控除)ー124万円(給与所得控除)ー62万6400円(社会保険料控除))×10%+5000円(均等割)
手取り:311万4000円
400万円ー23万6000円(健康保険料)ー36万6000円(厚生年金保険料)ー2万4000円(雇用保険料)ー8万4000円(所得税)ー17万5000円(住民税)
※各数値算出における端数処理の関係で、手取りの計算式の答えと記載の数値に差が生じています。
夫と妻の合計手取りは772万9000円です。片働き世帯の手取りは736万4000円なので、その差は約36万円となっています。
この差の主な原因は所得税です。
共働き世帯が負担する合計の所得税は24万4000円ですが、片働き世帯が負担する所得税は66万6000円となっています。これは、所得が上がるほど所得税率が高くなる「累進課税制度」が要因です。
累進課税制度により、所得が高い人ほど所得税は高額になります。
家計は手取りで考えよう
家計を考える際は、額面ではなく手取りで考えることが重要です。
転職や昇給の際にも、手取りで使えるお金をシミュレーションしましょう。
参考資料
- 国税庁長官官房企画課「令和3年分民間給与実態統計調査」
- 東京都「令和5年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表 」
- 厚生労働省・都道府県労働局長・ハローワーク「令和5年度雇用保険料率のご案内 」
- 国税庁「No.2260 所得税の税率」
- 国税庁「No.1410 給与所得控除」
- 国税庁「No.1191 配偶者控除」
- 国税庁「No.1180 扶養控除」
- 埼玉県「個人県民税」
苛原 寛