住宅ローン「変動金利型」の最大のメリットは毎月の返済額が低いこと

では、実際に「変動金利型」は全期間固定型と固定金利期間選択型と比べて、どれくらい毎月の返済額を抑えられるのか。シミュレーション比較してみましょう。

【住宅ローン】シミュレーション

例)借入金額3000万円、借入期間35年、元利均等返済、ボーナス返済なし

【図表2】

出所:住宅ローンシミュレーション結果をもとに筆者作成

  • 全期間固定型(借入金利1.58%):毎月の返済額:9万3035円
  • 変動金利型(借入金利0.345%):毎月の返済額:7万5838円
  • 固定金利期間10年(借入金利0.88%):毎月の返済額8万3018円

※三菱UFJ銀行の2023年9月現在の金利を用いてシミュレーション

上記のとおり、住宅ローン借入当初の毎月の返済額は、変動金利型が最も低く、全期間固定型とは毎月1万7197円もの差が生じます。年間では約20万円もの差となります。

住宅ローン借入当初の毎月の返済額だけを比較すれば、変動金利型が優位であることは一目瞭然です。

しかし、変動金利型と固定金利期間選択タイプの固定期間終了後は、いつ金利が上昇し、毎月の返済額がどれだけ増えるのか、借入当初に予想することは困難です。

これまでのように、意図的に低金利を維持させるような環境であれば、変動金利型を選ぶことへの不安はまだ大きくなかったかもしれません。

しかし、現時点ではまだ据え置きである変動金利型も、今後上昇する可能性がやや高まったとなると、金利タイプ選びはより難しくなったといえるでしょう。