おひとりさまの貯蓄事情は?

老後もおひとりさまとして生活するとなると、生活面や金銭面において自分一人で対応しなければいけないため「老後が不安」と感じる独身者も多いでしょう。

では、おひとりさま世帯の貯蓄事情はどのようになっているのでしょうか。

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」によると、単身世帯の平均貯蓄額は下記のようになりました。

平均値は「全てのデータを足したあとにデータ数で割った値」となっており、極端に貯蓄額が多い人がいた場合は、平均値がその金額に寄ってしまう傾向にあります。

一方で中央値は、対象となるデータを小さい順に並べ中央にある値で、より実態に近いとされており、一般的な貯蓄額の実態を知りたい方は、中央値を参考にすることをおすすめします。

年代別に中央値をみてみると、50歳代までは平均貯蓄額が100万円以下となっており、60歳代においても300万円となっています。

また、金融資産を保有していない「金融資産非保有者」の割合が約3〜4割であることから、老後に向けた貯蓄が十分にできていない人が多いとうかがえます。

人によってライフプランや生活水準は異なりますが、現代の年金受給額だけで老後を過ごしていくのはハードルが高いと言われています。

また、高齢になると日々の生活消費支出だけでなく、病気やケガといった突然の支出も予想されます。

そうなった場合に、おひとりさまの場合は通院や買い物などを、タクシーや宅配サービスといったものに頼る必要があるため、よりお金がかかるでしょう。

「老後は一人で悠々自適な生活がしたい」と考えている方は、まずは「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で自身の受け取れる年金受給額を把握し、足りない分が補填できるように今から準備をしておくことをおすすめします。

今のうちから老後の準備をしておこう

本記事では、増え続ける「おひとりさま」の実情や、将来のおひとりさま世帯の割合について解説していきました。

近年、おひとりさまとして過ごす未婚者が増加傾向にあり、日本人の「結婚・家族」に関する価値観が変化しつつあります。

男女ともに働きやすい社会に近づいている現代では自立する人が多く、結婚以外に生きがいや価値を見出す人が増えてきているのでしょう。

一方で、老後もおひとりさまとして過ごす場合は、金銭面や生活面で不安を抱える人も少なくありません。

おひとりさまとして老後を過ごすとなると、全て自分で行動・選択しなければいけなくなるため、まずは「年金受給額の確認」や「老後に不足する資金の準備」などをして、今から老後に備えておけると良いでしょう。

参考資料

太田 彩子