おひとりさまの「結婚・家族」に対する考えが変化?
近年日本では、未婚者の割合が増加傾向にありますが、未婚者の結婚や家族に関する考え方にも変化が見られています。
厚生労働省の「令和5年版厚生労働白書」の未婚者の結婚や家族に関する調査データによると、「生涯を独身で過ごすというのは、 望ましい生き方ではない」という考えを支持する割合は、1992年は男性が65.3%、女性が57.6%でした。
しかし、2021年には、男女ともに上記の考えを支持する割合が減少しており、男性が51.1%、女性が39.3%となっています。
同様に「結婚したら子どもは持つべきだ」という考えを支持する割合も、1992年には男性が87.5%、女性で85.4%であったのに対して、2021年には男性で55.0%、女性で36.6%と大幅に低下しているのが見て取れます(グラフ2参照)。
男女ともに考えに大きな変化が見られますが、特に女性の「結婚・家族」に関する概念に変化が見られています。
上記の背景として、女性の社会進出が進んだことで自立する女性が増え、「結婚をして子どもを育てる」といった従来のライフプランに変化が見られるようになったのだとうかがえます。
生涯未婚のおひとりさまが増えている
ここまで、近年の男女の未婚率や、未婚者の価値観などについて解説してきましたが、未婚者の中には「一生結婚するつもりはない」と考える人も2000年代に入って増加傾向をみせています。
厚生労働省の「令和5年版厚生労働白書」によると、「一生結婚するつもりはない」と答えた未婚者は男性で17.3%、女性で14.6%となり、結婚意思がない人が増加傾向にあることがわかります(グラフ3参照)。
実際に、生涯独身を貫く「おひとりさま世帯」は増加しつつあり、50歳時の未婚割合は大幅に上昇しています。
男女ともにシニア世代の未婚率の割合が右肩上がりとなっていることから、今後もおひとりさま世帯の増加が見込まれます。
厚生労働省「令和5年版厚生労働白書」の同調査では、2040年には50歳時の未婚割合は男性で29.5%、女性で18.7%になると予想しており、約3〜5人に1人が未婚のまま老後を迎える可能性があります。