標準報酬月額の等級を区分表で確認するには?
標準報酬月額とは、会社から支給された給料の総支給額を区切りのよい幅で区分したものです(【一覧表】参照)。
つまり、健康保険や厚生年金保険などの保険料を出す際のもとになります。
標準報酬月額の区分は、健康保険・介護保険(40歳以上の人が対象)の場合、第1級の5万8000円~第50級の139万円までとなります。
一方、厚生年金の場合、第1級の8万8000円~第32等級の65万円までです。
これら標準報酬月額をまとめた区分表は、あらかじめ都道府県ごとに作成されています。
その表で確認すれば、等級ごとに個人が負担する健康保険・介護保険、厚生年金保険料が一目でわかります。
ご参考までに、保険料率は、厚生年金は全加入者一律で18.3%で、給料からの天引きは、会社と折半になります。
また、健康保険・介護保険は加入している健康保険によって異なります。
中小企業の多くが加入している全国健康保険協会(協会けんぽ)での健康保険料率は都道府県ごとに異なります。
東京都の場合は、令和5年3月分(4月納付分)からは、健康保険10%、介護保険(40歳以上の人のみ)1.82%で、給料からの天引きは、厚生年金と同じく会社と折半になります。
標準報酬月額のもとになる報酬月額に含まれるものとは
標準報酬月額は、原則として4月・5月・6月の3か月分の給料の総支給額の平均です。
ただし、いずれの月も17日以上勤務していることが前提となります。
その計算をする際、もとになる毎月の総支給額を「報酬月額」ともいいます。
そこに含まれているものは、基本給、役職手当、資格手当、通勤手当、残業手当など、労働の対象として支給されるものすべてです。
それぞれ注意点を以下にまとめます。
●通勤手当
通勤手当として、4月に6か月分の定期代をまとめて支給された方も多いかもしれません。
この場合、4月の標準報酬月額に6か月分を含めることはしません。4月・5月・6月のそれぞれの給与に、通勤手当を6分の1した金額を加えて計算します。
●残業代
多くの場合、残業代の計算は「月末締め翌月払い」になるのではないでしょうか。
定時決定の対象になるのは4月・5月・6月分に支払われた給料です。
そのため、残業した月で考えると3月・4月・5月が該当します。
締め日と支払日で、ズレがあることを認識しておきましょう。