老後に向けた資産形成の3つの方法

貯蓄の目的が「老後資金」であれば、銀行の預貯金だけでなく「ひと工夫」してみるのも良いでしょう。

一昔前のように、銀行にお金を預けるだけで7%や8%も増える時代であれば「お金を銀行へ預けましょう」とおすすめできますが、いまの日本は「超」がつくほどの低金利。

さらにインフレによって、「銀行にお金を置いておくこと」あるいは「現金でお金をもっておくこと」で実質的に資産が目減りしていく、そんな状況です。

10年、20年、あるいは30年、40年も先に訪れる「老後」に向けた資産形成であれば、時間を味方につけながら、ある程度のリスクを背負った投資も良いかもしれません。

これから3つの方法をご紹介しますので、参考にしてみてください。

■老後に向けた資産形成の方法①:NISA(ニーサ)

NISA(ニーサ)は、国が後押しする税制優遇制度のひとつで、株式・投資信託等への投資で発生した配当金や分配金、譲渡益が非課税となるものです。

通常、利益に対して約20%の税金がかかるのですが、NISA枠を利用して投資したものについては、税金がかかりません。

NISAには、「一括投資」と「積立投資」の2つのタイプがあります。このうち、毎月一定額を投資していく「積立投資=つみたてNISA」は、1000円前後の少額から投資が可能で、長期的な資産形成によりマッチしているといえるでしょう。

■老後に向けた資産形成の方法②:iDeCo(イデコ)

iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)も国が後押しする税制優遇制度のひとつです。

毎月、一定額を拠出して、ご自身が選んだ方法で運用を行います

掛金が全額所得控除となるほか、運用益が非課税、受給時には一括受け取りで「退職所得控除」、年金で受給する場合は「公的年金等控除」の対象に。

税制面での優遇が手厚いiDeCoですが、資金の受け取りは原則60歳以降、途中解約についても原則不可となる点に注意が必要です。

また、iDeCoは以下の手数料がかかることもおさえておきましょう。

【iDeCo(イデコ)でかかる手数料】

  • 加入時:2829円
  • 毎月合計:171円(国民年金基金連合会に105円+信託銀行に66円)掛金を拠出せず運用指図だけの場合は66円
  • 口座管理料:0〜500円
  • その他:受取時に振込の都度440円など

■老後に向けた資産形成の方法③:個人年金保険

保険商品を活用する方法もあります。

保険会社が、さまざまなタイプの商品を展開しています。

円建て・外貨建て、将来の受取額が確定しているもの・運用成果次第で受取額が決定するもの、など種類豊富です。

中途解約時には元本割れとなるものもありますので、不安な方は銀行や保険会社、FPに相談しても良いでしょう。

なお、個人年金保険は、新制度で所得税が年間4万円、住民税が年間2万8000円まで控除となります。所得税と翌年の住民税軽減のメリットもおさえておきましょう。

脱・貯蓄下手を意識し、60歳からの老後に余裕を持たせましょう!

「貯蓄下手」と「貯蓄上手」には大きな違いはないかもしれません。

本記事でご紹介した「貯蓄下手」の人の特徴にあてはまった方は、いまから、意識を変えてみましょう。

少しずつ意識を変えていくだけで、いつの間にかそれが習慣となります。気づけば「貯蓄上手」になっていることでしょう。

脱・貯蓄下手は、意外とすぐ訪れるかもしれないですね。

参考資料

和田 直子