2023年7月31日に帝国データバンクが発表した「定期調査:「食品主要195社」価格改定動向調査 ―2023年8月」によると、8月は計1102品目が値上げとなりました。値上げのピークは越えたようですが、価格は高止まり。賃金は思うように増えないため、まだまだ家計が厳しい状況が続きそうですね。
近年の物価上昇を受け、貯蓄の必要性をしみじみ感じた方は多いことでしょう。
そこで本記事では、なかなか貯金できない「貯蓄下手」の人に共通する特徴を元銀行員の筆者が4つご紹介していきます。多くの方が気になる「老後」に向けた資産形成の方法も、あわせて見ていきましょう。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
20歳代から70歳代「貯蓄額」平均値はいくらなのか
そもそも自分は貯蓄下手なのか。その基準は誰かが定めるものではありません。
同年代の貯蓄額と比較しながら答えを見つけてみましょう。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」によると、20歳代から70歳代の年代別の貯蓄額の平均と中央値は以下のとおりです。
【図表1】
【金融資産保有額(金融資産非保有世帯を含む)の平均と中央値】
- 20歳代:平均214万円・中央値44万円
- 30歳代:平均526万円・中央値200万円
- 40歳代:平均825万円・中央値250万円
- 50歳代:平均1253万円・中央値350万円
- 60歳代:平均1819万円・中央値700万円
- 70歳代:平均1905万円・中央値800万円
20歳代から70歳代まで全ての年代で平均と中央値が大きく乖離していますね。中央値とは、データを大きい(小さい)順に並べた時にちょうど真ん中に位置する数値で、平均値より実態を捉えているものと考えられています。
ここでは中央値をベースに、自分の貯蓄額が多いのか少ないのか、つまり貯蓄下手かどうかを判断してみると良いでしょう。
ただし、貯蓄額は、若い世代であれば家族構成や教育費・住宅資金にどのくらい重き置くか、シニア世代であれば退職金の有無や金額などによって世帯ごとにその様相は異なります。参考程度に見ておきましょう。