元銀行員が見た「貯蓄下手」の人にありがちな特徴4選
なかなかお金が貯まらない…そんな「貯蓄下手」の人にはどんな特徴があるのでしょうか。貯蓄”上手”な人との違いは意外と些細なことかもしれません。
ご紹介したい特徴はさまざまありますが、今回は4つに絞っておきましょう。
自分に当てはまるかどうか、チェックしてみてください。
■貯蓄下手に共通する特徴①:「残ったお金」を貯金しようと思っている
毎月、節約して「残ったお金」を貯金に回そうと思っている人は貯蓄下手かもしれません。
「残す」という目標に向かってストイックに取り組める人は、支出を削って「いくらか」を残すことができるでしょう。しかし、「欲しい物に出会ってしまった時」に手元にお金があるのに「買わない」選択をするのは簡単ではありません。
なんとか気持ちにうち勝ったとして、はたしてその残った「いくらか」を貯金することは効率的といえるのでしょうか。
貯蓄ができている人は、毎月の給与が入ったら先に「決めた金額」を貯金に回します。そして、その残りのお金でやりくりをしていきます。
お金があれば使い切ってしまう貯蓄下手の人は、「先取り貯金」で使えるお金を減らしてみましょう。意外とその範囲内でやりくりできるかもしれません。
■貯蓄下手に共通する特徴②:「収入が少ないから貯金ができない」と思っている
収入が少ないから貯金ができなくて当然だと思っていませんか?
収入が少なくてもしっかりと貯金ができている人もいます。逆に収入が多いにも関わらず貯金がまったくできていない人もいます。
つまり、年収と貯蓄額は比例しないといえるでしょう。
事実、総務省統計局の「総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)二人以上の世帯のうち勤労者世帯 年間収入階級別貯蓄及び負債の1世帯当たり現在高(8-2表)2022年」を見ると年収と貯蓄額は必ずしも比例するわけではないことが分かります。
【図表2】
◆【勤労者世帯】年間収入階級別 1世帯あたりの平均貯蓄現在高
- 年収200万円以下・・・818万円
- 年収200~250万円・・・729万円
- 年収250~300万円・・・693万円
- 年収300~350万円・・・1031万円
- 年収350~400万円・・・934万円
- 年収400~450万円・・・850万円
- 年収450~500万円・・・901万円
- 年収500~550万円・・・937万円
- 年収550~600万円・・・1066万円
- 年収600~650万円・・・1130万円
- 年収650~700万円・・・1134万円
- 年収700~750万円・・・1298万円
- 年収750~800万円・・・1330万円
- 年収800~900万円・・・1628万円
- 年収900~1000万円・・・1811万円
年収が700万円を超えたあたりから貯蓄現在高が上昇していますが、年収200万円以下、200万円~700万円未満までは、年収と貯蓄額が比例していないことが見てとれます。
収入が多くても支出が多ければ貯金はできません。言い換えると、収入が少なくても支出が少なければ貯金はできるということになります。
「収入が少ないから」と最初から諦めずに、貯蓄を意識してみましょう。
■貯蓄下手に共通する特徴③:意識が「目先のこと」に集中しすぎている
貯蓄下手の人は「目先のこと」に意識が集中しているかもしれません。「期間限定」や「いまだけ無料」といった購買意欲をそそるキャッチコピーにつられて購入したり、サービスを契約したりした経験はありませんか?
結局、継続利用するために月額利用料が発生したり、割高な付属品の定期購入が必要になったりなど、新たな「固定費」を生み出しただけという貯蓄下手の人は少なくないでしょう。
目の前にある「お得感」に意識が集中しすぎて、本当に必要かどうかの判断ができなくなってしまうのです。
お金に対して長期的な目線を持つことは非常に重要です。「いま」に意識が偏ると、「過度なボーナス払い」や「ローンを組めばいい」といった発想に直結してしまうかもしれません。
お金を使う時には、いったん立ち止まり、長い目で見た時に「得かどうか」、「必要かどうか」をじっくり考えることを習慣にしていきましょう。
■貯蓄下手に共通する特徴④:貯蓄の目的や目標金額が定まっていない
「お金を貯めたい」と思っても、その目的や目標金額が定まっていないと、思うように貯金は増えません。
貯蓄の目的が「備え」であったとしても、なんとなく…ではなく「備えとして10年後までに500万円」というように具体的にゴールを定めましょう。
貯蓄下手の人が「お金を貯める」には、支出を見直したり、意識を変えたり、何かを我慢したりなど、気持ちにある程度の負荷がかかります。ゴールがどこなのか、いつになればそこにたどり着けるのか、わからないまま走り続けるとストレスがかかってしまうでしょう。
「何のために」「いつまでに」「いくら」といった目的や目標を明確にし、それを達成するために何をすべきかまで決まれば、貯金自体を楽しむこともできるかもしれないですね。