ラーケーションで新たな家庭での学びを

学校を休ませて旅行に行くと授業の後れを取り戻すための努力が必要になってきます。そのため、学年が上がるにつれて学ぶ内容も難化して休ませることへの抵抗感が強まっていきます。

ラーニングー+ヴァケーション=ラーケーション

こうした状況をサポートする取り組みが全国に先駆けて愛知県で9月からスタートし、注目を集めています。

子どもの学び「ラーニング」と親の休日「バケーション」をかけ合わせた造語「ラーケーション」として、平日だからこそできる家庭内での主体的な学びや体験的な学びを応援する取り組みです。

愛知県はラーケーションとして年3日(2023年は9月開始のため2日)の休みを取れるとし、利用も3日間連続でも1日ずつの取得でも可能とフレキシブルです。利用する場合は保護者が事前に申請をし、休んだ日の授業内容は自宅で自習スタイルで学ぶとしています。

仕事の関係で子どもの休日に一緒に過ごすのが難しかった家庭にとっては、自治体主導のラーケーションを積極的に活用して家族で遠出できる機会が増えます。

体験格差への不安もある

平日に休むことへの後ろめたさがなくなる一方で、ラーケーション制度を活用する家庭と、家庭の事情で活用できないという体験格差が助長されることも危惧されます。

愛知県で始まるラーケーションの試みは「年間3日まで」。

この日数だけを見ると長いものではありませんが、例えば三連休と併用すれると6連休になり、海外旅行も可能な長さになります。

しかし、仕事を休めても宿泊を伴う遠出や何かしら子どもに体験させるには費用が発生します。ラーケーションを活用して親子で何か体験しようと考えるのは親の意識の違いも影響するため、平等にどの子どもでも有意義な時間を過ごせるとは限りません。

自治体でラーケーションを推進する場合、野外活動や修学旅行学校での校外学習とは異なり各家庭の判断に左右されることもあり、制度推進には様々な問題が発生し意見が噴出すると予想されます。

家庭の経済格差による不平等感を少なくする取り組みも大切

ラーケーションはメリットだけではありません。

体験格差や学校を休んだ時の自習も親や家庭のサポートに左右されます。

公的にラーケーション制度が進むとこうした問題に直面するのは避けることができないでしょう。

家庭の経済格差に関わらず、すべての子が平等に充実した体験ができるような取り組みも合わせて考える必要があると筆者は考えます。

参考資料

中山 まち子