4.「厚生年金」月額15万円超もらえる人はどのくらいいるのか
厚生年金の全体平均約14万円を上回る月額15万円超を達成できる人は、全体と男女別で以下のとおりでした。
- 全体:46.07%(月額15万円超745万4110÷全体1618万445人)
- 男性:64.22%(月額15万円超695万4102人÷全体1082万8213人)
- 女性:9.34%(月額15万円超50万8人÷全体535万2232人)
男女全体で見ると、5割弱の方が月額15万円超の厚生年金を受給しています。男女別に見ると、男性は約64%、女性は9%という結果に。
年金を月額15万円超もらえれば「羨ましい」といって良いでしょう。しかし、ここで確認した年金額は「額面」です。税金や社会保険料などが天引きされれば、手取り額は少なくなりますのでご留意ください。
ご自身の厚生年金の見込額は「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で確認することができます。だいたいどのくらい受け取れるのかをベースに、老後の家計収支を試算しておきましょう。
年金収入だけで老後生活をやり繰りできない場合には、不足額を補うために貯蓄に注力する必要があります。いまの生活にできるだけ負担をかけずに老後資金をつくるには「時間」がポイントです。
早くスタートして少しずつ老後資金を準備していきたいものです。
5. NISAやiDeCoなども取り入れながら効率良く資産形成しよう
厚生年金の受給額について細かくみてきました。月額15万円超を目安にしてその割合も確認しましたが、月額15万円未満の方が多い点にも着目しておきましょう。
現役時代より収入が落ちることは想定内とはいえ、15万円に満たない年金収入だけで長い老後生活を送るのは不安です。
最低限の生活費以外にも、不足の事態に対応できるある程度の備えは必要でしょう。老後への備えは多くの方にとって必須といえそうですね。
しかし、長らく日本は低金利が続いており、銀行にお金を預けているだけでは資産を増やすことが難しい時代です。
ある程度のリスクを伴いますが、NISA(ニーサ)やiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金制度)」を活用しながら、効率よく資産を増やしていく方法もあります。
これまでとは違った「工夫」を取り入れながら、老後に備えていきましょう。
参考資料
- 日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」
- 厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」
- 日本年金機構「令和5年4月分からの年金額等について」
- 厚生労働省年金局「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
和田 直子