2. 2023年度の公的年金は引き上げ

2023年度の公的年金は、3年ぶりに以下のとおり引き上げとなりました。

【2023年度の年金額の例(67歳以下の場合)】

  • 国民年金:6万6520円(2022年度:6万4816円)+1434円
  • 厚生年金:22万4482円(2022年度:21万9593円)+4889円 ※モデル夫婦の場合

※モデル夫婦:厚生年金に加入する夫(妻)が年収526万円で40年間就業・妻(夫)が専業主婦(主夫)で国民年金のみの夫婦

上記のとおり、67歳以下の方は2022年度から原則2.2%、68歳以上の方は原則1.9%の引き上げとなります。年金額が増額されること自体はとてもポジティブなニュースではありますが、昨今の物価上昇率を下回っており、実質的にも体感的にも「増額」とはいえない状況です。

3.「厚生年金」月額15万円超もらえれば羨ましい方なのか

先ほど申し上げたとおり、厚生年金は受給額に個人差が見られやすい仕組みになっています。

いまのシニア世代は実際にどのくらい年金を受け取っているのでしょうか。厚生労働省の「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より「男女計」と「男女別」で確認していきます。

3.1 厚生年金の平均受給月額《男女計》:14万円3965円

【厚生年金】平均受給月額と年金月額階級別受給者数《全体》:14万3965円

  • 1万円未満:9万9642人
  • 1万円以上~2万円未満:2万1099人
  • 2万円以上~3万円未満:5万6394人
  • 3万円以上~4万円未満:10万364人
  • 4万円以上~5万円未満:11万1076人
  • 5万円以上~6万円未満:16万3877人
  • 6万円以上~7万円未満:41万6310人
  • 7万円以上~8万円未満:70万7600人
  • 8万円以上~9万円未満:93万7890人
  • 9万円以上~10万円未満:113万5527人
  • 10万円以上~11万円未満:113万5983人
  • 11万円以上~12万円未満:103万7483人
  • 12万円以上~13万円未満:94万5237人
  • 13万円以上~14万円未満:91万8753人
  • 14万円以上~15万円未満:93万9100人
  • 15万円以上~16万円未満:97万1605人
  • 16万円以上~17万円未満:101万5909人
  • 17万円以上~18万円未満:104万2396人
  • 18万円以上~19万円未満:100万5506人
  • 19万円以上~20万円未満:91万7100人
  • 20万円以上~21万円未満:77万5394人
  • 21万円以上~22万円未満:59万3908人
  • 22万円以上~23万円未満:40万9231人
  • 23万円以上~24万円未満:27万4250人
  • 24万円以上~25万円未満:18万1775人
  • 25万円以上~26万円未満:11万4222人
  • 26万円以上~27万円未満:6万8976人
  • 27万円以上~28万円未満:3万9784人
  • 28万円以上~29万円未満:1万9866人
  • 29万円以上~30万円未満:9372人
  • 30万円以上~:1万4816人

※上記の平均月額には国民年金部分を含みます。

3.2 厚生年金の平均受給月額《男女別》:男性16万3380円・女性10万4686円

【厚生年金】平均受給月額と年金月額階級別受給者数《男性》:16万3380円

  • ~1万円未満 7万366人
  • 1万円以上~2万円未満:1万4136人
  • 2万円以上~3万円未満:5875人
  • 3万円以上~4万円未満:1万580人
  • 4万円以上~5万円未満:3万1646人
  • 5万円以上~6万円未満:7万694人
  • 6万円以上~7万円未満:17万8892人
  • 7万円以上~8万円未満:26万5042人
  • 8万円以上~9万円未満:25万7224人
  • 9万円以上~10万円未満:28万4196人
  • 10万円以上~11万円未満:35万8936人
  • 11万円以上~12万円未満:44万6960人
  • 12万円以上~13万円未満:52万9551人
  • 13万円以上~14万円未満:62万4724人
  • 14万円以上~15万円未満:72万5289人
  • 15万円以上~16万円未満:81万5769人
  • 16万円以上~17万円未満:90万3637人
  • 17万円以上~18万円未満:96万5471人
  • 18万円以上~19万円未満:95万3315人
  • 19万円以上~20万円未満:88万9人
  • 20万円以上~21万円未満:75万1043人
  • 21万円以上~22万円未満:57万7586人
  • 22万円以上~23万円未満:39万8787人
  • 23万円以上~24万円未満:26万7701人
  • 24万円以上~25万円未満:17万8056人
  • 25万円以上~26万円未満:11万2141人
  • 26万円以上~27万円未満:6万7929人
  • 27万円以上~28万円未満:3万9296人
  • 28万円以上~29万円未満:1万9670人
  • 29万円以上~30万円未満:9237人
  • 30万円以上~:1万4455人

※上記の平均月額には国民年金部分を含みます。

【厚生年金】平均受給月額と年金月額階級別受給者数《女性》:10万4686円

  • 1万円未満:2万9276人
  • 1万円以上~2万円未満:6963人
  • 2万円以上~3万円未満:5万519人
  • 3万円以上~4万円未満:8万9784人
  • 4万円以上~5万円未満:7万9430人
  • 5万円以上~6万円未満:9万3183人
  • 6万円以上~7万円未満:23万7418人
  • 7万円以上~8万円未満:44万2558人
  • 8万円以上~9万円未満:68万666人
  • 9万円以上~10万円未満:85万1331人
  • 10万円以上~11万円未満:77万7047人
  • 11万円以上~12万円未満:59万523人
  • 12万円以上~13万円未満:41万5686人
  • 13万円以上~14万円未満:29万4029人
  • 14万円以上~15万円未満:21万3811人
  • 15万円以上~16万円未満:15万5836人
  • 16万円以上~17万円未満:11万2272人
  • 17万円以上~18万円未満:7万6925人
  • 18万円以上~19万円未満:5万2191人
  • 19万円以上~20万円未満:3万7091人
  • 20万円以上~21万円未満:2万4351人
  • 21万円以上~22万円未満:1万6322人
  • 22万円以上~23万円未満:1万444人
  • 23万円以上~24万円未満:6549人
  • 24万円以上~25万円未満:3719人
  • 25万円以上~26万円未満:2081人
  • 26万円以上~27万円未満:1047人
  • 27万円以上~28万円未満:488人
  • 28万円以上~29万円未満:196人
  • 29万円以上~30万円未満:135人
  • 30万円以上~:361人

※上記の平均月額には国民年金部分を含みます。

厚生年金の平均受給月額は、男女全体で14万3965円、男性16万3380円、女性10万4686円でした。

それぞれの画像を見ていただくとお分かりのとおり、「平均」と「ボリュームゾーン」は大きく異なります。

現役時代の年金加入期間や年収が、年金額に大きく影響していることがここからも読み取れます。

また、年金額の男女差から、男性と女性の働き方や年収に違いがあることも見てとれますね。

いまのシニア世代が現役の頃は、女性の基本給が異なったり、昇給が難しかったりした時代です。結婚や出産を機に専業主婦になることが自然な流れだったことも影響しているかもしれません。

近年は、夫婦ともにフルタイムで共働きという世帯や、おひとりさまでキャリアを積むことが珍しくありません。厚生年金の男女差は年々縮まっていくでしょう。