2. 日本の年金制度「国民年金と厚生年金」とは
ここでは、日本の公的年金制度の仕組みについておさらいしておきましょう。
公的年金は「国民年金」と「厚生年金」で構成された「2階建て構造」となっています。
国民年金と厚生年金はそれぞれ「加入対象者」「保険料」「年金受給額」が下記の通り異なります。
国民年金は、原則日本に住む20歳から60歳未満の方が加入するもので、保険料は一律となっています。
仮に40年間保険料を納付すれば、国民年金は満額受け取れる仕組みとなっています。
一方で厚生年金は、国民年金の上乗せとして主に公務員や会社員などの「第2号被保険者」が加入するもので、保険料は報酬比例制となっています。
報酬比例制とは、年金の加入期間や過去の報酬等に応じて決まるもので、加入時期や加入期間などによって、受け取れる金額が大きく異なります。
国民年金の受給額は一律であるのに対して、厚生年金は報酬比例となっていることから、受け取れる額の個人差が生じます。
公的年金の種類・加入時期によって、受け取れる金額が大きく異なるため、自分がどの公的年金を受け取れるか「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」などを利用して事前に確認しておけると良いでしょう。
3. 次の年金支給は10月!何日に何ヶ月分が支給される?
公的年金は「偶数月の15日」が支給月となるため、直近だと「8月15日(火)」が年金の支給日でした。
次回は10月が支給月です。
ただし、偶数月の15日が土日祝日にあたる場合は、直前の平日に前倒しされます。そのため10月では13日が年金支給日とされています。
公的年金は前月までの2ヶ月分が偶数月に支給されるため、10月を含め2023年はあと2回年金が支給されることになります。
つまり、10月に支給される年金は「8月分、9月分」ということになるのです。
4. 厚生年金・国民年金の平均受給額はいくら?
前章で「公的年金制度の仕組み」を解説しましたが、厚生年金・国民年金それぞれの平均受給額はどのくらいなのでしょうか。
4.1 厚生年金の平均月額
厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均月額は「14万3965円(※国民年金部分も含む)」で、厚生年金月額階級別の老齢年金受給者数は下記のようになっています。
厚生年金の平均受給額を男女別で見た場合、男性は「16万3380円」、女性は「10万4686円」となっており、男女間で差が大きいことがわかります。
また、上記のグラフを見てみると、年金月額の割合にバラつきが生じています。
上記は、厚生年金が現役時代の収入や厚生年金加入期間によって決定することが要因であるとうかがえます。
特に男女間での差が大きい理由として、出産や育児を機に「正社員からパート」といったように働き方を変えるケースが多いことから、年金受給額が男性よりも少なくなっているのでしょう。
では、国民年金の場合はどうでしょうか。