4.2 国民年金の平均月額
厚生労働省の同調査によると、国民年金の平均月額は「5万6368円」で、国民年金月額階級別の老齢年金受給者数は下記のようになっています。
厚生年金の平均受給額を男女別で見た場合、男性は「5万9013円」、女性は「5万4346円」で、厚生年金と比較して男女差がほとんどないことがわかります。
国民年金の保険料は一律となっていることから、男女間や年金月額に大きな差は見られないのでしょう。
とはいえ、国民年金を受給する多くが受給額が「5〜7万円」となっており、年金だけで老後生活を送るのは少々難しいとうかがえます。
5. 働き方ごとに年金受給額「8パターン」を試算
ここまで、厚生年金・国民年金それぞれの年金受給額について見ていきました。
年金は現役時代の働き方によって、受給額が大きく異なります。
そこで、男女別平均年金額を夫婦世帯・単身世帯に分けて、各パターンごとに受け取れる年金額を試算してみましょう。
5.1 夫婦世帯の年金
まずは、夫婦世帯の場合、働き方の違いによって考えられる受給額4パターンは下記のとおりです。
夫が厚生年金に加入しているパターンの場合は月に受け取れる受給額は20万円を超えますが、夫が国民年金の場合10万円台となっています。
5.2 単身世帯の年金
続いて、単身世帯の場合、働き方の違いによって考えられる受給額4パターンは下記のとおりです。
単身世帯の場合、フルタイムで働き続ける女性の割合は多いため、厚生年金の受給額は上記より多い可能性があります。
これら8パターンの試算額は、あくまで男女それぞれの平均額の概算となっているため、自身の年金受給額が気になる場合は、「ねんきん定期便」で確認してみるとよいでしょう。
6. 年金受給額を把握して老後の資産形成を
本記事では、年金の平均月額を働き方ごとに8パターンで試算して紹介していました。
働き方の違いによって、将来受け取れる年金額に個人差が生じることから、自身の年金受給額を把握しておき、足りない分は事前に貯蓄しておくことが大切です。
最新の平均寿命もひとつの参考とし、貯蓄計画を立ててみるといいでしょう。
現代では、初心者でも少額から始めやすい「iDeCo」や「NISA」といった制度もあります。
それらを活用して、老後を迎えるまでにしっかりと資産形成をしておけると良いでしょう。
参考資料
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 日本年金機構「令和5年4月分からの年金額等について」
- 厚生労働省「令和5年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」
- 厚生労働省「令和4年簡易生命表の概況」
太田 彩子