人生の最後の章である老後。多くの人にとっては自由な時間が多く、自分のリズムで生活し、趣味や好きなことをして充実した日々を過ごし、豊かな生活をイメージしていたいものです。

しかし、豊かな老後生活を送るためにはお金が必要です。

年金だけでは足りないといわれている近年の年金事情。老後の頼みの綱である年金が頼れないとなると今のうちから老後に備えなければなりません。

そこで今回は老後の「おひとりさま」の貯蓄事情についてみていきます。いまのおひとりさまの暮らしぶりから、老後に向けてどのような「備え」が必要か、一緒に考察していきましょう。

1. 65歳以上世帯「おひとりさま」(単身世帯)の割合は?

厚生労働省「2021(令和3)年国民生活基礎調査の概況」によると、65歳以上の方がいる世帯の世帯構造をみると、「単独世帯」が742万7千世帯(高齢者世帯全体の28.8%)、「夫婦のみの世帯」が825万1千世帯(同32.0%)となっています。 

また、1986年時点で高齢者世帯全体の約半数を占めていた三世代世帯が4分の1まで減少し、「単独世帯」・「夫婦のみの世帯」・「親と未婚の子のみの世帯」が増加しています。

中でも単独世帯は、1986年からの35年間で2倍以上も増えました。

「単独世帯」の男女比も見てみましょう。男性35.7%、女性64.3%と、単独世帯の約6割を女性が占めています。性別ごとの年齢構成をみると、男性は「70~74歳」が29.8%、女性は「85歳以上」が24.3%で最も多くなっていることがわかります。

日本の世帯構成が時代とともに大きく変化していることが見て取れますね。女性の社会進出が著しい近年、これからも単独世帯、いわゆる「おひとりさま」世帯は増えていくかもしれません。