4. 備え方にもひと工夫を

ここまでは将来的な収入源となる年金額について眺めてきましたが、大切なのは支出の見込額もできるだけ正確に把握するということです。

住宅ローンの残債はどれくらいか、お子様が独立される前にリタイア時期を迎える方は教育資金の不足はないか、年金生活に突入する際に軍資金は手元にいくらになるか確認しておくとよいでしょう。

大体の収支見込がたてられると、現時点での不足金額(必要資金)が見えてきます。

充足している場合も油断は禁物です。現役世代に比べると予期せぬ出費がかさむのがシニア世代です。

もちろん健康を維持することは要らぬ医療費や介護費を確保せずに済むので、最高の老後準備といえるかもしれません。

5. まとめにかえて

低金利・止まらない物価上昇のいま、効率的に資産運用を取り入れることは不可欠となりつつあります。

貯蓄とは異なり、資産運用にはもちろんリスクがともないます。大切なことは「長期・分散・積立」の3つのポイントをおさえることです。

リスクの許容度も人それぞれです。今は国も自助努力を後押しする仕組み、制度を用意してくれていますので、メリット・デメリットをきちんと把握した上でご自身に合った方法を取り入れてみてください。

また検討の結果、運用が難しい方は支出を見直すのも有効でしょう。

スタートは早いに越したことはありません。無理なく時間を味方につけて将来のセカンドライフを楽しみましょう。

参考資料

笹村 夏来