2023年8月4日の株価(終値)は商船三井(9104)で3984円、日本郵船(9101)で3826円でした。

商船三井(9104)と日本郵船(9101)の海運大手2社の株価は、セクターが同じということもあるためか、【図表1】をみてわかる通り2023年初来以降同じような動きを示しています。

【図表1】商船三井・日本郵船の2023年初来の株価の推移(2022年12月30日~2023年7月31日)

出所:各種資料をもとに筆者作成

年初は堅調だったのち、配当落ちに向けた利益確定や業績への懸念が重しになったと考えられますが、6月以降は再び上向いています。

今回は海運大手2社の株価や業績を見ていきましょう。

※株式分割の影響は、株価や配当金、株式数など全て遡及修正して株価を調整しています。
※記事中で記載の株価は全て終値となっています。
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【商船三井(9104)と日本郵船(9101)の株価】年初は堅調な業績が下支えか

商船三井、日本郵船とも年初しばらくは堅調な業績や増配が下支えになったと考えられます。

たとえば日本郵船は、2022年11月に公表された2023年3月期第2四半期決算では、増収増益や1050円(※2022年9月末の分割前の株価基準)への増配見通しを公表しました。

商船三井についても、たとえば2023年1月31日に発表された2022年度第3四半期決算では業績が好調であり、年間配当560円とする見通しも株価の下支えになっていると思われます。

配当落ちはどちらの企業にとっても株価の重しか

海運の大手二社というと、配当利回りが高いことが注目されやすいでしょう。

2023年3月31日時点の2022年度配当見通しと株価を元にすると、日本郵船の配当利回りが16.8%(株価3089円、配当見通し520円)、商船三井が16.9%(同3310円、560円)でした。

どちらの企業も業績に合わせて配当水準を大きく変える傾向にある企業であるため、足元の好業績を背景にこのような配当水準となっているのでしょう。

一方で、3月末付近に両社配当の権利落ち日があるため、このタイミングで株価が下落した要因の一つだと考えられます。