4. 厚生年金からも「天引き」されるお金がある

厚生年金等から天引きされる内容は、毎年6月に郵送される「年金振込通知書」で確認することができます。

具体的には所得税、住民税、介護保険料、健康保険料などが天引きされますが、実際の天引き額は居住地や所得によって異なります。

今回は東京都八王子市に住む男性(80歳)の例で見てみましょう。

5. 厚生年金からの天引きされる税金

もし厚生年金が月額15万円という場合、年間収入は180万円になります。

収入が年金のみの場合は、所得税として4623円、住民税として1万6500円が天引きされます。

5.1 厚生年金から天引きされる介護保険料

年金年額が18万円以上の場合、介護保険は強制的に年金から天引きされます。

八王子市の場合では、年金収入が180万円の方の介護保険料は年額7万9400円となります。

5.2 厚生年金から天引きされる健康保険料

年金から天引きされる健康保険料は、「国民健康保険」か「後期高齢者医療制度」です。

今回の事例の男性は80歳なので、後期高齢者医療制度の保険料が天引きされます。

東京都後期高齢者医療広域連合の所得割率と均等割額を用いて計算すると、保険料は年間約4万8800円です。

6. 厚生年金の月額額面が15万円の手取り額はいくら?

天引きされる税金や保険料を合計すると、年間で約15万円になりました。

180万円-15万円=165万円。ここから税金や保険料が天引きされ、手取り月額は13万8000円となる計算です。

※あくまでも概算です。また天引きされる金額は年度途中に決定するため、1年を通して同じ手取り金額になるとは限りません。

額面通り15万円もらえると思っていたら、予想外に天引きされていて落胆してしまうかもしれませんね。

7. 将来の為にいまからできることを

ここまで、将来受け取れる年金の受け取り額やそこから天引きされる税金などについてみていきました。

年金から引かれるものが多いことに驚かれた方も多いと思います。

老後の生活を将来の年金の受取額を把握したうえで、今からできることを少しずつでも始めていくことで安心できる老後を迎えられるかもしれません。

まずは、自分が今からできる準備はどのような方法があるのか知ることから始めてみてはいかがでしょうか。

参考資料

大庭 新太朗