突然ですが、皆さんは期待していたものが予想していた結果とは違って、落ち込んだことはありませんか。

例えば「今月は営業の成績も順調で、いつもより多くボーナスが入ってくるかな」と思っていたところ、そこまで多くもらえなかった場合。

期待していた分、落胆の度合いは大きくなってしまうのではないのでしょうか。

この現象は、将来皆さんが受け取る年金でも同じことがあるかもしれません。

公的年金には、給料のようにいろいろと天引きされるお金があります。

額面で受け取れる年金額を見たときに「自分はこの金額が将来の年金として受け取れる」と期待していると、実際に受け取った際に大きな落胆を招いてしまうかもしれません。

実際の受取額と年金の額面の差額が大きいとその先の老後の計画にもずれが生じてきてしまい、こんなはずでは…となってしまうことも考えられます。

そうならない為にもまずは、日本の公的年金制度について今一度確認をしていきましょう。

1. 厚生年金とは?公的年金制度の「2階建て」を理解しよう

最初に、日本の公的年金制度についておさらいをしておきます。

日本の公的年金は「2階建て構造」と呼ばれていることをご存知でしょうか。

上図のとおり、「国民年金」と、会社員や公務員などが加入する「厚生年金」から成り立っています。

1.1 国民年金の加入者とは

国民年金には、20~60歳未満の日本国内に住むすべての人が加入します。さらに以下のとおり3種類にわかれます。

  • 第1号被保険者:自営・20歳以上の学生など
  • 第2号被保険者:会社員・公務員など
  • 第3号被保険者:第2号被保険者に扶養される配偶者

1.2 厚生年金の加入者とは

厚生年金には、国民年金の第2号被保険者が上乗せして加入します。

厚生年金保険に加入している会社や官公庁などの適用事業所に、一定時間勤務する70歳未満の方が対象です。

1.3 保険料と年金額の関係

国民年金の保険料は一律のため、全期間(480カ月=40年)のうち未納や免除などの納付状況によって受給額に個人差が生じます。

一方、厚生年金は現役時代の収入により保険料が決定されるため、加入期間や収入によって個人差にバラツキが見られます。

国民年金を含む厚生年金の月額は「約15万円」と言われていますが、実際に15万円を受け取れるシニアはどれくらいいるのでしょうか。

くわしく見ていきましょう。