4. 厚生年金と国民年金の平均支給額はいくら?
そもそも、厚生年金や国民年金の額面がいくらぐらいなのか、ピンとこない方もいるでしょう。
直近のデータでいうと、厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」では、厚生年金(老齢基礎年金を含む)の支給額平均は月額14万3965円でした。男性が16万3380円、女性が10万4686円です。
また国民年金(老齢基礎年金)の平均年金月額は5万6368円。男性が5万9013円、女性が5万4346円でした。
厚生労働省「2022年 国民生活基礎調査の概況」によると、「公的年金・恩給を受給している高齢者世帯における公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%」の世帯はたった44.0%です。
つまり残りの56.0%は、稼働所得や財産所得、仕送りや個人年金などで補填しています。
半数以上の方にとって、年金だけで暮らすことは難しいようです。
年金額や天引き額はそれぞれの働き方や所得、家族構成によって異なるということを知り、詳細な目安額を把握するようにしましょう。
5. 年金で不足する老後資金を考えよう
厚生年金や国民年金からは、天引きされるお金があります。
年金の改定や天引き額の決定は年度初めと重ならないため、どうしても年度の途中で収入額が変わってしまいます。
振込額が変わったからと慌てないように、年金の基本はしっかり押さえておきましょう。
さらに、年金で不足する分の老後資金についても考える必要があります。もちろん貯蓄も重要ですが、
- 働き続けるためにスキルを磨く
- 健康を維持するために健診を受け続ける
- 老後も資産運用を活用し、資産が減るスピードをゆるやかにする
- 厚生年金の加入期間を伸ばして年金額をあげる
- 不動産収入などの不労所得を得る
- iDeCoや個人年金保険などで独自の年金を作る
など、対策方法をたくさん検討してみましょう。複数を組み合わせることで、それぞれのデメリットをカバーすることもできます。
まずは情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省「令和5年度の年金額改定についてお知らせします」
- 日本年金機構「年金振込通知書」
- 厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」
- 厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
太田 彩子