2023年度分最初の「厚生年金と国民年金」が6月15日に支給され、2回目の支給日が8月15日に迫ります。
このように、公的年金は原則として「偶数月に2ヶ月ごと」に振り込まれることを知らないという方も多いです。
同じく、「年金からも税金や保険料が引かれる」ということは、ご存知ない方もいるのではないでしょうか。
天引きされるお金は年度初めに決定されるわけではないため、「8月15日支給の年金」と「10月13日支給の年金」を比較すると、その手取りが変わるということはよくあります。
筆者も自治体職員をしているときは、10月に窓口相談に来られる方が多かったものです。
なぜ手取りの金額が異なるのでしょうか。くわしく見ていきましょう。
1. 厚生年金と国民年金のしくみをまずは理解
まずは、厚生年金と国民年金のしくみを理解する必要があります。それぞれの加入者や保険料の決まり方などを整理しましょう。
1.1 国民年金(1階部分)とは?
国民年金とは、原則として日本に住む20歳から60歳未満の方が全員加入する年金です。
ベース部分になることから、基礎年金とも呼ばれます。保険料は一律で、年度ごとに改定されます。
40年間しっかりと保険料を納付すれば、老齢基礎年金として満額が受け取れます。ちなみに、2023年度の満額は月額6万6250円(67歳以下の場合)と決定されました。
1.2 厚生年金(2階部分)とは?
厚生年金とは、国民年金の上乗せとして、主に会社員や公務員などの「第2号被保険者」が加入する年金です。
厚生年金の保険料は報酬比例制なので、たくさん稼いだ方や長く働いた方が、多くの老齢厚生年金を受け取れる仕組みです。
納めた保険料や加入期間で受給額が決まるため、個人間の差が激しいという点を押さえておきましょう。