日本では以前よりも実力社会になってきてはいるものの、一部で学歴社会の文化も根強く残っています。
その結果、高卒と大卒とでは得られる収入に差が生じています。
とはいえ、大学を卒業するためにはそれなりの費用がかかるため、結局どちらが総額で得しているのか気になりますよね。
夏休みはさまざまな夏期講習があるため、中学~高校生のお子さんを抱える親は、さまざまな視点から進路に悩むものです。
本記事では、「大卒と高卒」の退職金及び生涯賃金の差を徹底比較していきます。
大卒の場合にかかる教育費用の総額も紹介しているので、トータルで見た際に学費を回収できるのかという点にも注目しましょう。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
「大卒と高卒」の退職金はいくらか。大企業・中小企業別にみる
まずは大企業・中小企業に勤務する、「大卒と高卒」それぞれの退職金を見ていきましょう。
中央労働委員会の調査データによると、資本金5億以上かつ労働人材が1000人以上の企業のモデル退職金は、大学卒・高校卒それぞれ【図表1】の結果となりました。
一方で、東京都産業労働局の調査データによると、企業規模が300人未満の企業の定年退職金は【図表2】の結果となりました。
大企業の場合は、約500万円ほど大卒のほうが退職金が高くなっています。
中小企業においても、約100万円ほど大卒のほうが退職金を多くもらえており、大企業・中小企業ともに学歴の違いによって退職金に差が出ています。
とはいえ、企業の退職金は各企業の制度や入社時のタイミングなどによって格差が大きいため、上記の金額はあくまで目安として参考にすると良いでしょう。
「大卒・高卒」の生涯賃金はどのくらい差があるのか
学歴の違いで退職金に数百万円という大きな差が生じることがわかりましたが、生涯賃金の差はいくらになるのでしょうか。
生涯賃金とは、1人の労働者が新卒から定年までにわたって得られる賃金の総額を指します。
独立行政法人労働政策研究所・研修機構が厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」を元に算出した生涯賃金をみてみると、男女の生涯賃金(退職金は含めない)は【図表3】の結果となりました。
上記表をみると、学校卒業後にフルタイムで正社員を続けた場合の60歳までの生涯賃金は、男性で5000万円の差、女性で6000万円の差が出ていることがわかります。
上記に加えて、大企業の場合は約500万円、中小企業の場合は約100万円ほど退職金に差が生じることから、生涯で得られる金額差はさらに広がると考えられます。
また、現代の日本では60歳以降も働き続ける人が増えていますね。
退職金を受けたあと、平均的な引退年齢まで非正社員として働き続けた場合は、大卒と高卒で得られる生涯賃金は【図表4】のようになります。
あくまでも平均ではありますが、高卒と大卒の生涯賃金の差は約5000万円から8000万円ほどだと言えるでしょう。
大学を卒業するために必要な教育費の総額は?
前章では、大卒と高卒の生涯賃金に大きな差が生じることについて解説しました。
とはいえ、大学に進学するためにはそれなりの費用がかかります。
本章では「国立大学」と「私立大学」それぞれの進学に必要な学費を見ていきましょう。
国立大学の学費は、文部科学省の省令によって標準額が定められており、年間の授業料は53万5800円となっています。
国立大学の入学料も同様に標準額が定められており、28万2000円です。
上記をふまえ、国立大学に進学した際にかかるトータルの費用は下記のようになります。
- 入学料:28万2000円
- 授業料:53万5800円(※)
- 4年間の総額費用:242万5200円
※標準額の20%までの増額が認められています
一方で私立大学の場合は、文部科学省の調査によると、授業料の平均は93万943円、入学料が24万5951万円となっています。
さらに私立大学では、上記に加えて施設設備費がかかり、平均で18万186円です。
上記をふまえ、私立大学に進学した際にかかるトータルの費用は下記のようになります。
- 入学料:24万5951円
- 授業料:93万943円
- 施設設備費:18万186円
- 4年間の総額費用:469万467円
国立大学と私立大学の4年間の総額費用をみると、学費が大きく異なることがわかります。
また、理系や医学部など、学問や分野によっても学費はさらに増える可能性も大いにあるでしょう。
そのため、大学を卒業するためにかかる費用は、約350万円から550万円ほどを目安にしておくと良いです。
「大卒・高卒」トータルでみると大卒のほうがお得なのか
本記事では、「大卒と高卒」の退職金及び生涯賃金の差を徹底比較していきました。
一般的に大卒のほうが生涯賃金が高卒よりも高い傾向にあり、その差は約5000万円から8000万円となっています。
大学に進学した場合、約350万円から550万円の費用がかかりますが、生涯賃金の差をみると、費用分は回収できているといえます。
とはいえ、現代においては以前よりも「実力主義」を求める企業が多くなってきていることから、高卒でも高収入の人は多くいます。
また、高卒の場合は大卒よりも早い時期から働けるため、若さを活かして活躍できるのもメリットと言えるでしょう。
変わりつつある現代においては、大卒・高卒それぞれにメリットがあるため、トータルの金額だけでは、一概にどちらが得するかは言えなくなっているのかもしれません。
変わりゆく現代の流れにも視野を向けながら、大卒・高卒どちらがお得なのか、考えられると良いでしょう。



