「大卒・高卒」の生涯賃金はどのくらい差があるのか
学歴の違いで退職金に数百万円という大きな差が生じることがわかりましたが、生涯賃金の差はいくらになるのでしょうか。
生涯賃金とは、1人の労働者が新卒から定年までにわたって得られる賃金の総額を指します。
独立行政法人労働政策研究所・研修機構が厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」を元に算出した生涯賃金をみてみると、男女の生涯賃金(退職金は含めない)は【図表3】の結果となりました。
上記表をみると、学校卒業後にフルタイムで正社員を続けた場合の60歳までの生涯賃金は、男性で5000万円の差、女性で6000万円の差が出ていることがわかります。
上記に加えて、大企業の場合は約500万円、中小企業の場合は約100万円ほど退職金に差が生じることから、生涯で得られる金額差はさらに広がると考えられます。
また、現代の日本では60歳以降も働き続ける人が増えていますね。
退職金を受けたあと、平均的な引退年齢まで非正社員として働き続けた場合は、大卒と高卒で得られる生涯賃金は【図表4】のようになります。
あくまでも平均ではありますが、高卒と大卒の生涯賃金の差は約5000万円から8000万円ほどだと言えるでしょう。
執筆者
株式会社ナビゲータープラットフォーム メディア編集本部
LIMO編集部記者/編集者/元公務員
京都教育大学卒業。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部で、厚生労働省管轄の公的年金制度や貯蓄、社会保障、退職金など、金融の情報を中心に執筆中。大学卒業後は教育関連企業での営業職を経て、2010年に地方自治体の公務員として入職。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務に従事した。主に国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担う。特に退職に伴う年金や保険の切り替えでは、手続きがもれることで不利益を被ることがないよう丁寧な窓口対応を心がけた。その後、保険代理店にてマーケティング業務に従事。保険料比較サイトの立ち上げに参加した。乗合保険会社の商品ページだけでなく、保険の知識を普及するためのページ作成にも参加。小学校教諭一種免許、幼稚園教諭一種免許、特別支援学校一種免許取得。
はたらく世代のお金の診断・相談サービスを行うマネイロでは、「【計算例付】厚生年金保険料はどのように決まる?ケース別算出方法や受給額を解説」など、お金や年金制度にまつわる記事を発信中。京都府出身。(2024年3月18日更新)