KDDIのセグメント分析
同社は、「パーソナル事業」、「ビジネス事業」の2つを報告セグメントとしている。各々について以下で見ていく。
KDDIのパーソナル事業
パーソナル事業では、個人向けサービスを提供している。
国内においては、「au」「UQ mobile」「povo」のマルチブランドで提供する5G通信サービスを中心に、金融、エネルギー、LXなどの各種サービスを連携し拡充することで、新たな付加価値・体験価値の提供を目指す。
また、過疎化・高齢化など地域社会が抱える課題に向き合い、地域パートナーとともに、デジタルデバイド解消とサステナブルな地域共創の実現を目指す。
一方、海外においては、国内で培った事業ノウハウを生かし、ミャンマーとモンゴルの個人向けに、通信サービス、金融サービス及び映像等のエンターテインメントサービス提供に取り組んでいる。
売上高は、前述したとおり、モバイル通信料収入(ローミング収入等含む)の減
少や前期の金融事業収入の一時的な増加等により、前年同期比▲3.3%の1兆1188億円であった。
営業利益は、前年同期比▲12.4%の2181億円となった。
【ARPU収入】
総合ARPU収入は前年同期比+0.4%の4797億円と順調に推移している。
通信ARPU収入は▲29億円となり、当上期での黒字化を目指す。
【5G契約浸透率】
前年同期比+18.1ポイントの57.5%と、約6割のユーザーが5G通信契約を申し込んでおり、5G契約浸透率は着実に伸長している。
【au】
動画や電子マンガなど、データ需要の高い人気コンテンツをセットで提供しており魅力を高めるよう努めている。
また、au月間平均データ利用量は前年同期比+25%と順調に増加している。端末の機種変更時に約80%のユーザーが使い放題プランを選択していることが要因である。
【金融】
以下のとおり顧客基盤が順調に拡大している。
- 決済・金融取扱高:3兆9000億円(前年同期比+17.0%)
- au PAY カード会員数:880万(前年同期比+90万)
- auじぶん銀行口座数:530万(前年同期比+53万)
- 住宅ローン融資実行額:累計3兆円突破(2023年6月)
KDDIのビジネス事業
ビジネス事業では、国内及び海外において、幅広い法人向けに、スマートフォン等のデバイス、ネットワーク、クラウド等の多様なソリューションに加え、「TELEHOUSE」ブランドでのデータセンターサービス等を提供している。
引き続き、5G通信を中心にIoTやDXなどを活用したソリューションを、パートナー企業との連携によってグローバルにワンストップで展開し、ビジネスの発展・拡大をサポートしていく。
また、国内の中小企業については、連結子会社のKDDIまとめてオフィスグループによる地域に密着したサポート体制を全国規模で実現している。
売上高は、コーポレートDX・ビジネスDX・事業基盤サービスで構成されるNEXTコア事業の成長によるソリューション収入の増加等により、前年同期比+6.3%の2813億円となった。
営業利益は、売上高の増加等により、前年同期比+3.6%の480億円となった。