東京・渋谷で開催された国内最大級のETFに特化したイベント
11月3日、東京・渋谷にて「楽天証券ETFカンファレンス」が開催された。楽天証券によれば、同イベントはETFに特化したイベントとしては国内最大級のもので、今回が5回目の開催ということだ。
ETFは今注目すべき投資対象のひとつ
ETFは「Exchange Traded Fund(上場投資信託)」の略。ざっくり言えば、日経平均株価やTOPIXなどの株価指数や商品価格などに連動する、いわゆるインデックス型の投資信託が取引所に上場していて、株のように売買できるイメージだ。
一般的な(非上場の)投資信託であれば、1日1回決まる基準価額でしか売買ができないが、ETFは株式と同様に取引所の取引時間中であれば相場を見ながらリアルタイムで売買ができる。流動性の低い銘柄がある点には注意が必要だが、2万円程度でも購入できるものが多いうえ、信託報酬も非常に低く設定されているので、比較的投資しやすい商品といえるだろう。
日経平均株価が21年4カ月ぶりの高値をつけるなど日本株の上昇に弾みがつく中、個人投資家の投資熱は一段と高まっている。冒頭あいさつに立った楽天証券土居執行役員は「現在、国内に上場しているETFのうち約78%を10万円以内で買うことができるなど、ETFは(個人投資家にとって)非常にとっつきやすい商品だ。タイミングをずらして小口で買っていくことでリスクを下げることもでき、指値で買う場合、“欲張った価格”でも売買が成立しやすい。ぜひ国内外ETFの売買をご検討いただきたい」と述べた。
ETFのプロが集結しポイントを解説
キーノートスピーチには、ニュースキャスターの辛坊治郎氏が登壇。昨今の日本を取り巻く環境、今後注目すべき点などについて語った。また、会場には金融機関でETFに関わるプロが集結。最近の市場動向に加え、ETFの新潮流、個人投資家がETFに投資する際のポイントなどが説明された。
また、楽天証券経済研究所の山崎元氏による講演では、個人投資家が押さえておくべき「投資常識」が〇×形式でわかりやすく紹介された。たとえば「ETFはイージーにトレードできるファンドではなく、(E)いい(T)手数料の(F)ファンドだと考えること」といったETFに関連するものに加え、「お金の運用に『夢』を意識する必要はない。資金使途と運用方法は無関係」、「目標額や目標利回りも明確に決めなくていい。『無理のない範囲でなるべく増やせば』それでいい」「投資家のタイプと商品選択は関係ない。人によって異なるのは運用金額とリスク資産への投資額のみ」といった投資にまつわる考え方まで幅広い内容が示された。また、「月々決まった額を投資に回せるのならば、つみたてNISAよりもiDeCo(個人型確定拠出年金)から始めたほうがより多くのメリットを享受できる」といった“投資のフィールド”に関するアドバイスもあった。自らの投資スタイルを見直した聴講者も多かったのではないだろか。
3連休初日にもかかわらず、会場には個人投資家約700人が来場。個人投資家の高い関心をうかがわせた。
LIMO編集部