キヤノンのセグメント分析

「プリンティング事業」、「イメージング事業」、「メディカル事業」の3セグメント合計売上高は同社売上高の90.0%を占める。以下では、3セグメントの分析を行う。

キヤノンのプリンティング事業

プリンティング事業は、オフィス複合機が前期から大きく販売台数を伸ばして増収となったが、レーザープリンターの売上減少により、減益となった。

同社のオフィス複合機は、画質、印刷スピード、耐久性に優れておりオフィスのメインプリンティング機器としての需要は底堅いものがある。販売も堅調であり、供給不足であった前期と比べ大きく売上高を伸ばした。

一方で、レーザープリンターは本体・消耗品ともに減収となった。前期下期以降の市況悪化から出荷調整を継続していること、また、前期は製品供給の回復局面にあり売上の水準が高かったことが要因と言える。

キヤノンのイメージング事業

イメージングは、ミラーレスカメラの新製品が売上を伸ばし、ネットワークカメラも需要拡大を捉えて成長を続け、増収・増益を達成し、利益率も高い水準を維持しています。

ミラーレスカメラは、2022年~2023年にかけて、ハイアマチュア向けからエントリークラスまで6機種のカメラ(「EOS R50」、「EOS R100」など)を発売し、EOS Rシリーズのラインアップ強化を図ってきた。
当第2四半期は、新製品の販売が好調に推移し、また本体と併せてRFレンズの販売台数も増えたことで増収となった。

ネットワークカメラは、セキュリティからマーケティング・生産工程管理など、用途を広げながら拡大を継続している。増加する需要を確実に取り込むため、同社では多様化する用途や使用場所に対応し、製品ラインアップの拡充を進めた結果、当第2四半期も増収を達成した。

キヤノンのメディカル事業

メディカルは、各画像診断装置が売上を伸ばし増収となりましたが、販売要員の増強や、M&A・事業取得に伴う費用など、成長投資が先行して発生し、減益となりました。

当第2四半期は、納入先医療機関の都合により、大型装置の据付けが一部後ろ倒しになったものの、欧州の超音波診断装置を始め、各装置が前期から売上を伸ばし、+6.7%の増収となった。