住宅支援金融機構が2023年6月30日に公表した「住宅ローン利用者の実態調査」によると、住宅ローン「変動型」「固定期間選択型」を選択した方のうち、金利が上昇した場合に、繰り上げ返済(一部・完済)を検討している方は変動型で36.3%、固定期間選択型で46.6%でした。

金利上昇に伴う毎月の返済額増加は、家計にも大きく影響するため一部または全額繰り上げ返済を検討するのは自然な流れでしょう。

しかし、繰り上げ返済をせずに、金利上昇分を資産運用でカバーする選択をされる方もいるようです。

そこで本記事では、「繰り上げ返済vs資産運用」としてそれぞれをシミュレーションしながら比較していきたいと思います。

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【住宅ローン】金利上昇時「返済継続」と「繰り上げ返済」で半々

住宅支援金融機構「住宅ローン利用者の実態調査」によると、金利上昇に伴い返済額が増加しても「返済目処や資金余力があるので返済継続」を選択した方は、変動型で33.1%、固定期間選択型で20.7%でした。

全期間変動金利タイプを選択した方は、契約時から金利上昇に対するある程度の覚悟や対応策をもっていることが見てとれます。

金利上昇に伴う返済額増加への対応

【変動型】

  • 返済継続:33.1%
  • 全額完済:11.0%
  • 一部繰り上げ返済:25.3%
  • 借換え:9.1%
  • 見当がつかない:21.5%

【固定期間選択型】

  • 返済継続:20.7%
  • 全額完済:17.5%
  • 一部繰り上げ返済:29.1%
  • 借換え:7.6%
  • 見当がつかない:25.1%

また、「見当がつかない」「わからない」という方は、どちらの金利タイプでも2割強でした。「借換え」を検討している方も1割弱ほどいるようですが、借換え前後の金利差や諸費用などを考慮すると慎重な判断が必要でしょう。